学年が進むにつれて勉強が楽しくなる、後伸び力の育て方(第11回)
自学力の育て方② 先取りは目的が大事
11月19日、なんと「いい塾の日」に、
KADOKAWAより発売された、
『名門公立高校受験道場流 自学力の育て方 受験突破だけで終わらないために』
という本を執筆しました。
全国のトップ校受験専門塾が集まる、
名門公立受験道場の精鋭陣が執筆し、
私は30数ページほど書いております。
➡書籍の詳細はこちら
自学力を育てるときに、大敵になりやすいのが先取り学習です。
寺子屋本楽寺でも先取りはやっていますが、
先取りが大事なのではなく、
何のために先に進めるか?がきちんとわかっていないと、
自学力にとって致命的なダメージを与えることになります。
何のために先取りをするのでしょうか?
最も困ってしまう答えは、
★ 先取りしないと(入試などに)間に合わないから
★ 先取りしておくと、後々楽になるから
この2つが典型例です。
先取りをどのように位置づけるとよいかという点については、
拙著『自学力の育て方』に詳しく書いてありますので、
今回は、よく見られる、自学力にダメージを負った例をお話しすることで、
自学力を育てる勉強のイメージが共有できれば嬉しいです。
先取りが不可欠になっている科目は英語が典型例ですが、
小学生のうちに英検をがんがん進めているご家庭も多いと思います。
あくまで普段通り、
英語そのものの力を伸ばすついでに、
英語検定をひとつの目標にするのが本来のやり方で、
英検を取ることを目標にして、
過去問対策を繰り返しやると自学力には悪影響しかありません。
英検は比較的傾向と対策が取りやすいので、
英検≠英語力と捉える人が多いのは、
傾向と対策をばっちりやって合格した人の英語力が悲惨な状態である、
というのが周知されているからだと、私は考えています。
英検が悪いということではなく、間違った合格のしかたをしているだけです。
発音とスペルのルールや、
語順に関するルールをマスターしていれば、
本番直前の微調整だけで、
3級(中学卒業程度)~準2級(高1・2程度)まで、
自然に取れるようになります。
自然に取れないのは、まだ英語の力が身に付いていないだけで、
英検合格を急いで誤魔化し勉強を身に付けてしまうと大変です。
リスニングを聴きまくって何となく選択肢を選んだり、
単語を書きまくって、細かいところがあやふやでも四択で何とかなったり、
ましてやこういうことを保護者が主導でやらせると、
もっと悲惨です。
これで合格なんてしようものなら、
英語は得意なつもりだけれども、何もわかっていない状態で、
中学校以降の英語に取り組むことになります。
先取りしないと入試に間に合わない、先取りすると後々楽になる、
というのがいかに歪んだ認識かというのが、
英検を事例にするとよくわかると思います。
《過去の記事はこちら》
➡第1回 「概念がある程度入ってからがお勉強です」
➡第2回 「思考力を育てるには?」
➡第3回 「情報処理能力と読解力」
➡第4回 「読解力は大きくなれば身に付くわけではない」
➡第5回 「頭が悪いのではなく、具体が入っていないだけ」
➡第6回 「受験勉強が悪いのではなく、勉強のイメージが偏っているだけ」
➡第7回 「受験勉強の意味を考えてみる①」
➡第8回 「受験勉強の意味を考えてみる②」
➡第9回 「受験勉強の意味を考えてみる③」
➡第10回 「自学力の育て方① まずは歯を磨くように勉強する」
●書籍名:「名門公立高校受験道場流 自学力の育て方 受験突破だけで終わらないために」(KADOKAWA) ●著:名門公立高校受験道場 ●発売日:2021年11月19日 ●定価:1,540円(税込) ●書籍の詳細・購入はこちら
※掲載されている情報は、2021年11月以前に取材した内容です。時間の経過により実際と異なる場合があります。
おすすめ情報
能登日和
能登日和 ≫お仕事日和
お仕事日和 ≫検索