[第5回]
冬の食材がいっそうおいしい金沢のイタリアン5選
魚介やジビエといった、金沢ならではの冬の味覚を存分に楽しませてくれるイタリアンの人気店をご紹介します。腕利きのシェフが織りなす料理をぜひ味わってみてください。
コルサロ
[金沢市尾山町]
漁師町で培われたDNAで、地魚をイタリアンへ昇華。
四方を海で囲まれ、地中海の太陽が燦々と輝くイタリアのシチリア。金山シェフは州都パレルモの漁港近くの店で、現地の人々の生活にどっぷり浸かるような濃厚な日々を経験。目の前で水揚げされる獲れたての魚介を使った料理はDNAとして色濃く氏の中に息づいている。メニューは大半が魚料理。「魚は自分たちのテクニックで、まだまだおいしくなる。冬場はいっそう充実する地物の魚介をあくまでも<イタリアの感覚>で変換し、提供したい」と熱っぽく語る。現地で培われた感覚と誇り。豪快にして繊細な品々に魅了される。
石川県金沢市尾山町6-22 Zigビル1階
TEL/076-236-4665
営/17:00~22:30(L.O.)
休/不定休
席数/テーブル25席 ※全席禁煙
P/2台
カード/可
●1人あたりの予算
4,000円~
●アクセス/近江町市場より徒歩3分
リストランテ ラ・ヴィータ
[金沢市泉が丘]
イタリアの海沿いの料理を、独自のアレンジで。
イタリア・リグーリアの他、トスカーナやロンバルディアで経験を積み、当時3ツ星のミラノの名店でも研鑽。その後、地方料理を求めて全土を食べ歩いた中森シェフ。現地で働いた時代は、伝統を打ち破る創造的な料理が絶頂。主にリストランテで前衛的な料理を学んだ氏の信条は、古典を基に<クリエイティブ>であることだ。魚介はもちろん野菜も地物を積極的に用い、進化を続ける中森流のアレンジは常に新鮮な喜びがあり、根強い人気を誇る。約3年前の移転を経て、新たなステージを見据えた氏。更なる進化に期待してしまう。
石川県金沢市泉が丘2-6-32
TEL/076-280-0802
営/11:30~14:00(L.O.)、18:00~21:00(L.O.)
休/月曜
席数/カウンター4席、テーブル20席(個室あり)
※全席禁煙
P/6台、夜9台
カード/可
http://kanazawa-lavita.com/
●1人あたりの予算
昼1,800円~、夜5,000円~
●アクセス/兼六園より車で15分
トラットリア クアクア
[金沢市増泉]
トスカーナの味をありのまま、郷土さながらの心で。
たとえば、トスカーナパンとトマトソースで作るパン粥「パッパ・アル・ポモドーロ」や、豚の脳みそのフリット。フィレンツェっ子に親しまれる大衆料理で、昔ながらのトラットリアの定番だ。有田シェフは、こういったトスカーナの郷土の味をそのまま提供。職人街の食堂でも働き、修業を超えて土着的な日々を送ってきた氏ならではのメニューが並ぶ。「イタリアでは、華やかで新しい料理も素朴な田舎料理も食べましたが、自分が感動したのは後者」。尋ねれば、溢れ出るように語られる料理の背景。現地の暮らしや空気も匂い立つようで、味わいも増し、彼の地がぐっと身近になる。
石川県金沢市増泉2-7-11
TEL/076-272-8865
営/11:30~14:00(L.O.13:30)、17:30~22:30(L.O.21:30)
※20:30以降喫煙可
休/水曜、他 月1回不定休
席数/29席
P/8台
カード/不可
●1人あたりの予算
昼1,050円~、夜3,000円~
●アクセス/金沢21世紀美術館より車で10分
イタリア料理 イケミ
[金沢市米泉町]
惜しまぬ努力が生む奥深い味わいをジビエ料理で堪能。
手打ちパスタやドルチェに定評があり、地場野菜を使った料理の他、冬場のジビエ料理も得意とする。とかく、労を厭わぬ仕事ぶりには圧倒される。池見シェフ、仕入れは毎朝、趣味の自転車に乗って市場へと足を運び、自分の目で選別。「自転車で走ると、四季の移り変わりを肌で感じる事ができてインスピレーションが湧くんですよ」と語る。味のベースになるスーゴディカルネは3日間店に泊り込み、60時間火にかけて仕上げるのだとか。こうした手間隙惜しまぬ姿勢で真心のこもった料理を楽しませてくれるだけでなく、お仕着せでないもてなしも好ましく、心地よい余韻に浸ることができる。
石川県金沢市米泉町10-39-5
TEL/076-269-3696
営/11:30~14:00(L.O.)※土・日・祝は14:30(L.O.)、18:00~20:30(L.O.)
休/月曜
席数/22席 ※全席禁煙
P/7台
カード/可
●1人あたりの予算
昼1,620円~、夜4,320円~
●アクセス/兼六園より車で15分
エバンス
[金沢市尾張町]
気取らないイタリアンで本国のおいしさを再現。
約30年に亘って親しまれてきた『エバンス』。現在、厨房で腕を奮う小関シェフは、東京の人気リストランテとイタリアのピエモンテで学び、イタリアを食べ歩いた時の感動をそのまま伝えたいという。野菜は金沢市内のイタリア野菜専門農家のものを使用し、現地の味を再現。イタリアを旅するような楽しさと、その多面性を体感させてくれる。冬の定番となっているのが、マイルドな蟹の味わいに、冬の生トマト独特のやさしい酸味と唐辛子の辛味を効かせた「香箱蟹と生トマトのスパゲッティーニ」(3月頃まで提供)。作り手の絶妙なさじ加減が光る豊かな味わいを楽しみたい。
石川県金沢市尾張町2-6-1
TEL/076-232-1665
営/11:30~14:30(L.O.14:00)、18:00~22:00(L.O.21:00)
休/木曜
席数/テーブル30席、カウンター3席 ※全席禁煙
P/なし
カード/ディナーのみ可
●1人あたりの予算
昼1,600円~、夜4,900円~
●アクセス/近江町市場より徒歩3分