第1回
撮影:苗加和毅彦(1998年撮影)
金沢には、小立野と寺町というふたつの台地と、犀川、浅野川というふた流れの川がある。
そのため町はおだやかな外見印象とは異なり、存外に起伏に富み、いたるところに坂がある。
とりわけ東山地区は背後に卯辰山があるため急坂が多く、そこに数多くの古い寺が建っている。
そこから眺めると浅野川、兼六園はもとより、遠く武蔵、片町まで一望でき、
マンションなどの 高い建物の間にところどころ、釉薬を塗った瓦屋根が白く鈍い光を放つ。
とくに何をするということもなく、日がな一日、この界隈をぶらぶらと散策すると、
金沢の体温のようなものがかんじられてくるから不思議だ。
西養寺
※掲載されている情報は、時間の経過により実際と異なる場合があります。(更新日:2017年3月28日)