てらおか風舎｜大矢さんに聞きました「震災と復興への思い」

能登牛のおいしさを発信するてらおか風舎。「みんなでご馳走をいただく喜びを届けたい」

石川県を代表する能登牛専門店「てらおか風舎」は、能登半島地震の影響で大きな被害を受けながらも、懸命に復興に向けて歩んでいます。能登牛は、能登の美しい自然と潮風が吹く素朴な風土で丹誠込めて育てられている牛で、肉質はきめ細やかく上品な脂が特徴。血統が明確な黒毛和種であること、石川県内が最終飼養地かつ最長飼育地であること、肉質等級はA3以上またはB3以上と厳しい規定が設けられいるため希少価値が高いことでも有名です。

広報担当の大矢さんは、「震災の影響は大きく、施設やインフラも被害を受けました。しかし、従業員一同、力を合わせ、3月からランチ・ディナーともに営業を再開することができました」と、当時の状況を語ります。地震発生直後は、従業員とその家族の安否確認が最優先事項でした。その後、工場や事務所の片付けに追われる日々が続いたと言います。「断水や道路の寸断で、牛への餌や飲み水の確保が困難になったと聞いています。そんな牛の話を耳にすると本当に涙が出る思いでした」と、大矢さんは胸の内を明かします。

困難な状況の中でも、地元の方や全国からの温かい励ましが大きな支えになりました。「県内のイベントに参加したり、お弁当を販売したりと、商品や販路を拡大しながら、営業を続けてこれたのは、応援してくれる皆様のおかげです」と、大矢さんは感謝の言葉を述べます。「いろいろなお集まりのシーンを彩ってきたのが当店だとの自負があります。今は震災前に比べて様々な集まりが減ってしまったのですが、美味しい料理を提供することで、少しでもみなさんに笑顔になっていただけたら嬉しいです」と、大矢さんは話します。「未だ、道の復旧もまだまだなんでしょう？と聞かれることがありますが、当店までは問題なくお越しいただけます。能登は、美しい海と美味しいものがたくさんある素晴らしいところです。てらおか風舎では、お客様に美味しい能登牛をご提供し、笑顔と活力を届けたいと思っています。ぜひ、お越しください。」と、力強く締めくくりました。