[ 志賀町 ]
志賀町稲岡健太郎町長インタビュー
志賀町稲岡健太郎町長が語るこれからの志賀町
まずは、震災当時を振り返っていただきたいのですが、町長になられてすぐに震災があったのですよね。
私は町議会議員を3期務めた後、町長選挙に立候補しクリスマスの日に当選しました。投票率は72%を超えたと聞き、町民の皆様の関心の高さを改めて実感しました。これは、私が掲げた「町を変えたい」という強い決意と、若さ、そしてクリーンな政治への期待の表れだと感じ、一意専心、志賀町のために力を尽くそうと決意しました。町議時代は、地域のために何かしたいという思いがなかなか形にならないもどかしさを感じていました。しかし、地域の一員として、志賀町を盛り上げていきたいという強い気持ちを持って活動していました。皆様の後押しもあって町長選に立候補しました。
就任早々、大きな地震に見舞われました。あの日のことは、どのように覚えていらっしゃいますか?
当選後は県内の自治体へ挨拶回りの日々でした。新年を迎え、一息つこうかという矢先に、まさかの大地震が襲いました。右も左もわからない状況の中、とにかく被災現場に駆けつけました。目の前に次々に降ってくる課題に対処するだけで精一杯でしたが、避難所に順番に足を運びました。町民の皆さんの状況を見て、とにかく一人ひとりの声を聞き、復旧に向けて全力で取り組まなくてはと思うばかりでした。
大変な状況の中、どのように乗り越えてこられたのでしょうか?
住民の方々の不安を受け止め、心の声をしっかり聴こうと、静かに覚悟を決めました。震災からの復興は、壊れた街を元に戻すことから始まります。元に戻っていない以上、復興とは言えません。災害復旧制度による支援を受けながら、着実に復興を進めていますが、道路がまだ破損していて通れない、という声も耳にするかもしれません。しかし、これは決して事実ではありません。
志賀町の魅力を改めて教えてください。
志賀町は、南北に長い海岸線が続く豊かな自然に恵まれた町です。南部は産業、北部は観光と、それぞれの地域に魅力があります。働く場所も豊富にあるため、奥能登で被災された方々も受け入れてきました。農業、林業、水産業が盛んな志賀町は、奥能登への玄関口として、金沢と能登をつなぐ重要な役割を担っています。
今後の志賀町の展望についてお聞かせください。
縦に長く伸びているという利点を生かし、金沢と能登をつなぐ役割を果たしていきたいと思っています。「いしかわ」の中に「しか」がある。そんな存在感を示していきたいです。特産品も豊富です。甘エビ、岩ガキ、ころ柿など、海の幸、山の幸、どれも絶品です。旧福浦灯台など歴史的価値の高い建造物もあり、北前船の歴史も魅力です。北前船の寄港地として有名な白山市や全国の寄港地との連携を深め、北前船の歴史を掘り下げ、石川県の回遊につながる新たな観光エリアとして発信していきたいと考えています。
最後に、観光客の方々にメッセージをお願いします。
志賀町は、美しい夕陽でも有名です。世界一長いベンチから眺める夕陽は、多くの観光客を魅了しています。今後、ロードバイクで夕陽を見ながら走れるサイクリングロードの整備を目指しています。砂浜、夕陽、そしてどこまでも続く海。志賀町の美しい風景は、訪れる人の心を癒してくれるでしょう。今回の震災では、全国から多くの支援をいただき、心から感謝しています。しかしながら、事業者の方々は依然として苦境に立たされています。引き続き、志賀町への応援をお願いいたします。
奥能登の復興はまだまだ道半ばですが、志賀町は着実に復興を進めています。私たちが前進することが能登の復興を牽引することにもなると信じています。ぜひ、志賀町を訪れて、元気な町の様子を肌で感じてください。大きな被害を受けたエリアも一部では復旧し、安全に観光を楽しめるようになっています。皆様の温かいご支援が、志賀町の復興の大きな力となります。ぜひ、志賀町に足を運んで、美しい自然と温かい人々との触れ合いを楽しんでいただければと思います。
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志賀町に関してもっと知りたい方は
志賀町から「令和6年能登半島地震 復興応援ありがとう!」ページへ
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※掲載されている情報は、2024年10月以前に取材した内容です。時間の経過により実際と異なる場合があります。