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【特集】志賀町優良特産品ガイド

海、里の魅力満載。西能登里浜の志賀町ならではのとっておきの優良特産品が勢揃い。お土産やギフトにもおすすめの逸品をご紹介します。

[ 志賀町 ]

インタビュー【仮設商店街の皆さん】

インタビュー【仮設商店街の皆さん】

[ 力を一つに、仮設商店街として再スタート。再建を目指す今。 ]

能登半島地震で大きな被害を受けた志賀町。道の駅「とぎ海街道」前にオープンした「仮設商店街」は、被災した地元の事業者による、活気を感じる店舗の集積エリアです。

洋食店やスーパーなど、個性豊かな5つの店舗が、仮設店舗ながらも笑顔で営業を開始。お客様との温かい触れ合いが、復興への力強い一歩となっています。「お客様と直接顔を合わせられるのが嬉しい」と語る店主たちの言葉には、被災から立ち上がる強い意志が感じられます。点在していた店舗が集まったことで、新たな観光スポットとしても注目を集めています。

店舗の皆さんに、今の思いをお聞きしました。志賀町に足を運んだ時にはぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょう。写真上段左より/高山さん、岩上さん、小間さん、冨澤さん、岩上貴弘さん。下段/松本さんご一家

【御料理 まつ本】松本さん
熱々のたこ焼きが未来への鍵。「あの味、あの店」の復活を誓う。

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震災で全壊した「まつ本」。能登の味を大切に、真心込めて日本料理を提供してきた店は、個室、カウンター、座敷を備え、少人数から大人数のグループに対応できる、地域の大切な場所でした。

「震災直後は、なぜ…という思いが募りました。でも、家族も従業員も全員無事。娘婿の『もう一度店を作ろう』という言葉に押されて再建を誓いました」。と店主の松本さん。たこ焼きは、昼も気軽に立ち寄れるようにと始めたメニュー。秘伝の出汁をきかせ、外はカリカリ、中はとろとろの大阪出身のお母様仕込みのくせになる味です。「お客様が『この味、食べたかった!』と言ってくれるのが、本当に嬉しい。この経験を糧に、家族一丸となって、また人々に美味しい料理を提供したいと思っています」。新しい店づくりに向けて、和食とたこ焼きがいただける美味しい和食どころの誕生が待たれます。きっと志賀町の新しい魅力となるはずです。



【割烹 波涛園】岩上さん親子
魅力を増やす好機と捉え、気軽で多彩なメニューにも挑戦!


昭和3年創業、地域の憩いの場として愛されてきた「波涛園」。震災で半壊し、以前のような営業は叶いませんが、「近隣の方々の少人数の依頼だけは受け続けています」と店主の岩上さん。四季折々の和食、特に能登の鮮魚を使った刺身が自慢の店は、仮設のオープンとともに予約制で刺身の盛り合わせなどの提供を再開しました。

震災を機に、新たな挑戦も始まりました。金沢の名店で修行を積んだ息子さんが主となり、ランチ営業をスタート。うなぎ丼や肉料理など、ボランティアへの感謝の気持ちと志賀町の魅力を発信するメニューを提供しています。「志賀町の賑わい創出に貢献したい。仮設での経験を活かして、気軽に食べられるメニューも開発したい」と意欲を燃やす息子の貴弘さん。ピンチを好機に変える、その熱意が伝わってきます。



【小間呉服店】小間さん
他愛もない会話が何よりの宝。新しい出会いにも感謝の日々。


全壊した店舗は表に出るのも困難なほどに崩れたそう。9月のオープンよりいち早く仮設商店街へ出店したのが「小間呉服店」です。店主の小間さんは、ここに来れば誰か知った顔がいる、という店の役割を大切にしています。「多くの常連客が集まって、世間話に花を咲かせている毎日です。ここもいろんな方が他愛もない話をして、ほっと一息つける場所でありたいと思っています。」地域の風習が、店の存続を支えているといいます。「志賀町の風習で、先にお客様からお預かりしているお金があるんです。それが手元にある限り、店を閉めることはできないんです。困ったものよね」と笑います。仮設商店街への出店で、新たな客層も増えてきました。「仮設商店街への出店で、若い人たちが覗いてくれることもあるんですよ。『これ可愛い!』『掘り出し物見つけた!』と喜んで買っていかれるのを見ると、本当に嬉しいです」。今日も新しい出会いが生まれています。


【富来ストア】冨澤さん
毎日の笑顔はスーパーが必須。誰より強い愛情で日常に笑顔を届ける。


地域の生活を支えてきたスーパー「富来ストア」は、震災で天井や壁が崩落。存続が危ぶまれましたが、「常連さんの顔を見たい、役に立ちたい、美味しい食材を届けたい」という専務の冨澤さんの強い思いから、復旧の目処が立たない2月には元の店舗の被害が少ない場所のみで営業を開始。「スーパーがないと生活に困る人がいる」との思いから、この度、仮設店舗での営業を再開しました。

「社長自ら朝4時に起きて七尾港に仕入れに行き、毎日少量、売り切る分だけを販売しています」と冨澤さん。小さい店舗に、捌きたての新鮮な刺身、手作りでボリューム満点の惣菜、食卓を豊かにする生鮮食品に日用品などが並ぶ。震災からもうすぐ一年。まだまだ自身の生活もままならない状況ながらも、「店があって、集う笑顔がある。それが力になります」と前を向きます。元の場所で再建を目指し、今日も店に立ち続けます。


【ブラッスリー高山】高山さん
美味しい一皿に笑顔が集う。全国の支援に感謝し、今できることを。


東京のイタリアンやフレンチで腕を磨いたシェフが営む「ブラッスリー高山」。悠々とした日本海の景色を気に入り、世界一長いベンチの近くに店を構えたのが7年前のこと。気軽に立ち寄る人や記念日を過ごす人など様々なシーンで愛されてきました。しかし震災で店は半壊、ひどい雨漏りで壊滅状態でした。「元の店はこの仮設商店街のすぐ近くにあったんですよ。このエリアが大好きなのでまたここで人が集まる場所を作りたい」と語るシェフの高山さん。多くの支援に励まされ、再起を決意しました。

「今も日本各地からボランティアの方々が来てくださって、感謝しかありません」。仮設店舗では、コスパの良いランチや低価格のお弁当も充実。「恩返しのつもりのメニューを用意しています」と高山さん。「お腹いっぱい美味しいものを食べて、少しでも皆さんの力になれれば嬉しいです」と語る高山さんの店には、今日も客足が絶えません。

DATA

※掲載されている情報は、2024年10月以前に取材した内容です。時間の経過により実際と異なる場合があります。

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