観光情報サイト 金沢日和

国立工芸館|金沢21世紀美術館から徒歩約6分。金沢観光の新定番の魅力に迫る。

【金沢観光スポット】すごい!がいっぱい『国立工芸館』 地元民こそチェックしたい注目ポイント

写真 太田拓実

金沢観光の新定番として定着した『国立工芸館』。「石川県には素晴らしい施設があるなぁ」と誇りに思う気持ちは県民共通の思いではありますが、実は、地元の人たちからは「なんとなく敷居が高い」「坂の上にあるなんて歩いて行くのが大変そう」「車で行ったらどこに停めたらいいの?」という声も聞かれます。

今回は、「広坂のバス停や21世紀美術館から徒歩でたったの約6分!」 とか、「工芸って難しくない。”かっこいい”、”すごい”を感じてほしい」とか、「工芸とデザインを専門とした唯一の国立美術館でもあるんだよ」などなど、案外知らない『国立工芸館』の魅力について紹介します。

最新のデジタル鑑賞システムや、専門図書を揃えたアートライブラリも設置された同館で、美術館の魅力を探り、週末のおでかけはもちろん、県外の方は金沢旅行の計画にお役立てください。駐車場情報もチェックしてくださいね!

■まずは、国立工芸館への行き方をチェック!

『国⽴⼯芸館』は、⾦沢の⽂化ゾーン・「兼六園周辺⽂化の森」に位置し、兼六園や⾦沢21世紀美術館からも徒歩圏内。⾦沢駅からは多くのバスが運⾏しておりアクセスがしやすいです。

【公共交通機関を利用して来館する場合】
JR金沢駅兼六園口(東口)からバスを利用できます。タクシー乗り場も金沢駅を出てすぐにあるので便利です。

バスは「出羽町」で下車するのが最寄りです。降りたら兼六園に向かって歩き、兼六坂上から「いしかわ生活工芸ミュージアム」「成巽閣」を右手に見ながら歩くと『国立工芸館』が見えてきます。近い!

◉バスを利用する場合
<路線バス>
3番乗り場:乗車(約12分)、「広坂・21世紀美術館(石浦神社前)」下車徒歩7分
6番乗り場:乗車(「柳橋」行を除く)(約12分)、「出羽町」下車徒歩5分
8番乗り場:乗車(約11分)、「広坂・21世紀美術館(しいのき迎賓館前)」下車徒歩9分

<城下まち金沢周遊バス>
7番乗り場:
右回りに乗車(約18分)、「広坂・21世紀美術館(石浦神社前)」下車徒歩7分
左回りに乗車:(約20分)、「広坂・21世紀美術館(石浦神社向い)」下車徒歩7分

<まちバス> ※土日祝のみ運行
5番乗り場:乗車(約20分)、「金沢21世紀美術館・兼六園(真弓坂口)」下車徒歩約7分

◉タクシーを利用する場合
JR金沢駅兼六園口(東口)タクシー乗り場から平常時で約10~15分

【車・バイクで来館する場合】
⾞で観光している時に、⼀番困るのが駐⾞場。『国⽴⼯芸館』では無料で利用できる⽂化施設共⽤駐⾞場があります。北陸自動車道、金沢西ICまたは金沢森本ICから20~30分です。

★近隣の駐車場
近隣文化施設共用駐車場(約230台・無料)が利用できます。

●第3駐車場(石川県立歴史博物館駐車場)45台 徒歩1分
●第2駐車場(石川県立美術館駐車場)60台 徒歩約3分
●第1駐車場(石川県立能楽堂駐車場)128台 徒歩約4分

駐車場の地図や自転車で来館する人はこちらをチェック。

■景色が美しい散策にぴったりのエリア

『国立工芸館』の周辺には美しい景観が広がっています。観光や休⽇に、⾦沢21世紀美術館や⽯浦神社を楽しんだら、その⾜でぜひ『国⽴⼯芸館』まで⾜を伸ばしてみてください。坂左⼿に兼六園の様⼦を眺めながら、⽊々の下を歩く時間は「⾦沢っていいところ」を再認識させてくれます。ちなみに、ルートは2つ。⾦沢21世紀美術館から坂を登ると成⼈⼥性の⾜で約8分かかりますが、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪吊りが⽬を楽しませてくれます。
もう一つのルートは石浦神社の鳥居を抜けるとすぐに階段があり、公園を抜けていくルート。こちらは階段を登るとあっという間に県立美術館につくので、体感距離はさらに短く感じられます。金沢21世紀美術館から徒歩で約6分でした。気忙しい時間から解放されて、のんびりと散歩を楽しみながら歩く時間はとっても贅沢。日頃の運動不足も一気に解消できるかも?

写真 太田拓実
夜の美術館も素敵なんです!毎年、夏に開催される「国⽴⼯芸館 夏の夜間開館」ではうっとりの景観が楽しめますよ。昼とは全く違う印象を持つ夜の雰囲気は、観光客だけでなく地元の⼈にも是⾮体験して欲しいです♪

一言メモ
一言メモ

©Pokémon. ©Nintendo/Creatures Inc./ GAME FREAK inc. ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
キッズも楽しめる取り組みにも⼒を⼊れている⼯芸館には、ポケモン「ミロカロス」が描かれたデザインマンホール『ポケふた』が設置されています。敷地内、屋外の無料ゾーンにあります。どこにあるか探してみてね。背景には『国⽴⼯芸館』の所蔵作品などをイメージしたシルエットがちりばめられているところにもご注目!

■つまり、工芸館ってこういうところ。

エントランスすぐに鎮座する圧巻の常設作品。なんと3mを超える巨大なやきものなんです。入館チケットがなくても見られるので気軽に見てみよう。金子潤《無題 13-09-04》2013年 写真 太田拓実
石川県金沢市の中心部に位置する『国立工芸館』は、展覧会や鑑賞プログラムを通して、形式にこだわらない広い視点で「工芸」「デザイン」の新しい魅力を紹介しています。日本の工芸にはじめてふれる方はもちろん、誰もが気軽に楽しめるように、工芸の各技法や専門用語などをわかりやすく説明するタッチモニターのコーナーがあり、工芸とであう場、学ぶ場としても最適です。

特徴①あなたにピッタリのアートに出会えるかも!
豊富なコレクション: 4,000点以上の近現代の工芸・デザイン作品を収蔵しており、陶磁、ガラス、漆工、木工、金工、染織、グラフィックデザイン、工業デザインなど多岐にわたる分野を網羅しています。

特徴②建築好き注目の建物!
歴史的建物の活用: 明治期に建てられた旧陸軍の施設を移築・復元活用しており、歴史的な雰囲気を楽しむことができます。建物は国登録有形文化財に指定されています。

特徴③親子で楽しむ工夫がいっぱい!
展覧会に関連したトークイベントやワークショップなどの教育プログラムも充実しています。これにより、工芸やデザインの魅力を広く発信しています。

■ここでしか見られない眼福の所蔵作品

■鈴木長吉 《十二の鷹》(部分) 1893年 重要文化財 撮影:エス・アンド・ティ フォト ※常設の作品ではありません

素晴らしい工芸の作品に触れることができるのが『国立工芸館』の大きな魅力です。国内外のさまざまな地域の作家から重要無形文化財保持者(人間国宝)、若手工芸家の作品まで幅広く所蔵しています。

所蔵作品の中で特に知っておきたいのが、明治時代の金工家・鈴木長吉が制作し、重要文化財にも指定されている《十二の鷹》。12羽それぞれの迫力、緊張感、美しさは必見。特定のテーマに基づいた所蔵作品展や企画展は、工芸の新しい魅力を伝える内容になっています。こまめにチェックして足を運んでください!

【左】飯塚琅玕齋《花籃 あんこう》1957年 撮影:大屋孝雄 ©2020/【中央】板谷波山《葆光彩磁牡丹文様花瓶》1922年 撮影:エス・アンド・ティ フォト©2018 /【右】見附正康《無題》2019年 撮影:野村知也 *いずれも常設の作品ではありません
一言メモ
一言メモ

橋本真之《果樹園―果実の中の木もれ陽、木もれ陽の中の果実》1978-88年 写真 福島健一
先に紹介した金子潤の作品のほか、屋外の常設展示は無料で鑑賞可能。周辺エリアを散歩した際にはぜひチェックしてみて。この大きな作品は、鍛金(金属をハンマーで叩いて作る技法)でできています。自然の中に展示されていて雨が溜まる様子や、経年変化を楽しめます。

■触って、伸ばして。2D&3D鑑賞システム

3Dタッチシステムに触れて、作品の細部を確認する様子。写真 福島健一
美術や工芸初心者、お子様でも興味を持ちやすい取り組みがたくさんあるのも工芸館の魅力。展覧会にあわせてトークイベントなどを開催しています。未就学児を含む家族で楽しめるワークショップも定期的に開催していて、工芸を身近に感じられると好評です。

エントランスから展示室に行く途中の部屋「工芸とであう」にある2D・3D鑑賞システムをぜひタッチしてみてください。2D鑑賞システムでは、大小さまざまな図柄の丸がシャボン玉のように左から右へと漂っていきます。流れてくる作品画像をタッチすると作品の全体像と解説が。こちらは英語、中国語、韓国語にも対応しているので海外のお客様にもうってつけです。3D鑑賞システムは「別の角度からも作品を見たい」という要望に少しでも応えるべく開発された特別なシステムだそう。パネルの作品画像を選択してピンチするとアップになって、細部まで見ることができます。回転させることもできるので、ガラス越しに展示されている作品では、絶対に見えない部分も見ることができるんです!

実物の迫力が伝わる高精細な画像で工芸を学べます。ぐっと工芸が身近になりますよ。

一言メモ
一言メモ

作家や作品をもっと知りたい人は、受付近くにあるアートライブラリへ。これまでの企画展のカタログや貴重な作品集、参考図書が揃っています。椅子もあるので、落ち着いたひと時を過ごせます。

■可愛いアイテムが充実のミュージアムショップ

店内には、人気の「国立工芸館オリジナル米蜜ビスケット」や「工芸館限定パッケージ 献上加賀棒茶」のほかにも多彩な商品が並ぶ。
実は、ミュージアムショップは入館料を支払わなくても入れるのをご存知ですか? もちろん展覧会をしっかり観覧することもおすすめしますが、まずは気軽におしゃれなアイテムで美術館との距離を縮めるのも楽しいですよ。

お土産として人気なのは「国立工芸館オリジナル米蜜ビスケット」(10枚1,100円•税込)。北陸製菓とのコラボで誕生したアイテムで、クラシックな外観のイラストがよい感じです。蓋を開けると工芸館の紹介文が書かれています。地元企業とのご縁を大切にしているそうで、丸八製茶場の「工芸館限定パッケージ 献上加賀棒茶」(600円•税込)も揃えています。工芸館ファンなら絶対に欲しいのが「『十二の鷹』オブジェ」(各2,200円•税込)。手のひらに乗るサイズながら迫力十分。実際に作品を撮影した写真を3Dデータに起こし、全12羽の内から3羽を細部まで再現したアイテムです。360度眺められる贅沢をぜひ味わってみてください。もっと気軽に楽しみたい人には「『十二の鷹』ボールペン」(1,100円•税込)もあります。



他にもグラフィックデザインの所蔵作品をレイアウトした「A4クリアファイル」(440円•税込)、所蔵作品を素朴なタッチで描いた中川政七商店の「国立工芸館オリジナル かや織ふきん」(550円•税込)など、かさばらず手頃なアイテムが豊富に揃います。企画展によってはオリジナルグッズが登場することもあります。オリジナル商品以外は展覧会に合わせてラインナップも毎回変わるので、お土産やおしゃれなプレゼントを探している人は気軽にミュージアムショップをのぞいてみてくださいね。
一言メモ
一言メモ

工芸館や金沢らしさを大切にしながら発案されたアイテムは、訪問した感動を残してくれる逸品。ショッパー(30円)も可愛いと評判。これまで開催した展覧会の図録も販売しています。

■明治期ならではの雰囲気が残る洋風建築

【右上】旧陸軍金沢偕行社2F(2F 多目的室)写真 太田拓実 【その他】館内の階段やシャンデリアの様子。 
優しいグリーンが美しい印象の建物は、明治時代に建てられた二つの旧陸軍施設を移築・復元したものです。1898年建築「旧陸軍第九師団司令部庁舎」と将校の社交場だった1909年建築「旧陸軍金沢偕行社」を移築・復元。これらの建物は、国の登録有形文化財に指定されており、東京にあった「東京国立近代美術館工芸館(現:国立工芸館)」が金沢に移転する際に活用されました。西洋建築の影響を受けたデザインで、歴史的な価値を持ちながらも、現代の美術館として新しい命が吹き込まれたのです。

柱やシャンデリアなど、館内も往時の雰囲気が感じられます。2階のラウンジに鎮座する椅子は木漆工芸家・黒田辰秋の作品《欅拭漆彫花文長椅子》。東京時代から人気でこの椅子に座りたくて訪れる人もいるそう。実際に座ってもOK。年数を経た拭き漆がなんとも言えない風合い。全身が包まれるような温もりが感じられます。(※こちらの作品は展示されないこともあります。)
また「漆の神様」を意味する「漆聖(しっせい)」とよばれた、蒔絵の名匠で人間国宝の松田権六の作業部屋を移築・復元した常設展示も必見。本物の作業場をそのまま移築したため、戸棚の中には使用していた道具なども入っているそう。作家の息遣いが感じられそうですね。隣の展示コーナーには貴重な作業道具や、時期によって内容が変わる展示も。秘蔵の写真や若かりし頃の様子がわかる資料が展示されることも。

※本記事掲載作品はいずれも国立工芸館蔵

■開催中の展覧会

本展の入館料は一般個人300円、大学生個人150円。*高校生以下および18歳未満、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方と付添者(1名)は無料。他の割引については公式ウェブサイトにてチェックを。
本展覧会は、国立工芸館の所蔵品を通して、工芸やデザインにおける「反復」と「偶然」という2つの特徴を紹介します。「反復」は、竹工や織物に見られるように、同じ動作の繰り返しによって形や模様を生み出す特徴です。一方、「偶然」は、自然素材の個体差や制作過程での外的要因が作品に独特の味わいを与えるものです。本展では、これらの要素がおりなす工芸とデザインの豊かな表現の魅力が楽しめます。

>>詳細はこちら
ここが見どころ!
ここが見どころ!

人の手による繰り返しがうみだす模様と、人為を超えたちからがうみだす作品の妙味。展示作品より、西村陽平《トースター》1988年 国立工芸館蔵 撮影:アローアートワークス ■反復と偶然展 ●会期/2024年12月17日(火)〜2025年2月24日(月・休)
・詳細はこちら
※開催予定や過去の展示会についてはこちらから

■国立工芸館
石川県金沢市出羽町3-2
TEL/050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間/9:30〜17:30 ※入館は17:00まで。※展覧会により開館時間が異なる場合があります。
休館日/月曜(祝休日は開館し翌平日休館)、展示替期間、年末年始
P/あり (近隣文化施設との共用駐車場)
●WEBサイトはこちら

※掲載されている情報は、時間の経過により実際と異なる場合があります。(更新日:2024年12月19日)

おすすめ情報

能登日和

能登日和 ≫

お仕事日和

お仕事日和 ≫
掲載記事・写真・図表等の無断転載を禁止します。また一部の画像は石川県及び金沢市提供の写真を使用しています。
(C) 2024 金沢の観光やグルメ 金沢日和 kanazawabiyori