石川・金沢アート&カルチャースポット特集
観光やおでかけの際に巡りやすいよう、博物館や美術館などの芸術・文化施設を地域ごとにまとめてご紹介。
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歴史と伝統の街金沢は「文学のまち」とも呼ばれます。昔から多くの作家や文学者に愛され、作品の舞台となってきました。そんな金沢生まれの三文豪「徳田秋聲(とくだしゅうせい)」「泉鏡花(いずみきょうか)」「室生犀星(むろおさいせい)」と、ふるさとの偉人たちを訪ねるちょっとディープな半日観光モデルコースをご紹介します。
「金沢の三文豪」の中で最初に生まれた「徳田秋聲(とくだしゅうせい 1871~1943)」を紹介する記念館。秋聲が幼少期を過ごしたひがし茶屋街近く、浅野川そばに建つ。人の姿を自然なままに書き出す「自然主義」の作家で、ノーベル文学賞受賞の川端康成が「小説の名人」と褒め称えたほど。記念館には万年筆や英和辞典、オメガの懐中時計などの愛用品が収蔵。
「金沢の三文豪」の中では2番目に生まれた「泉鏡花(いずみきょうか 1873~1939)」を紹介する記念館。浅野川、主計町茶屋街、ひがし茶屋街に隣接した生家跡地に建っている。幼い頃に母を亡くしたことから、亡き母への憧れをベースにした幻想的な世界観を持つ。その装丁の美しさから特に「鏡花本」と称された初版本や自筆資料など約2,000点を所蔵。
2008年に旧第四高等学校、略称:四高(しこう)に関する資料の展示と文化活動の機会を提供する目的で設置された。明治24年築のレンガ造りの建物は、国指定の重要文化財。正面から見て左半分は無料ゾーンの四高記念館。右半分の有料ゾーンである石川近代文学館では、徳田秋聲・泉鏡花・室生犀星をはじめとする石川県ゆかりの文学者の資料を展示している。
「金沢の三文豪」の中では1番最後に生まれた「室生犀星(むろおさいせい 1889~1962)」を紹介する記念館。生誕地である金沢市千日町に建つ。遺品や自筆原稿、書簡等を展示。叙情的で情感あふれる文章表現に長けた作家として活躍し、今なお多くのファンがいる。「蜜のあわれ」は2016年に映画化。猫好きとしても知られる。
金沢が生んだ世界に誇れるふるさとの偉人たちを紹介する博物館。高峰譲吉(化学者)、木村栄(天文学者)、西田幾多郎(哲学者)、鈴木大拙(仏教哲学者)、谷口吉郎(建築家)など。金沢市内の小学生リクエストによる偉人たちとして「金沢の三文豪」が名を連ねている。年に2、3回の企画展、講演会を開催。偉人クイズや缶バッチの制作体験なども随時受付。
(浅野川近く)
築150年の蔵を生かした『町の踊場 蔵カフェ』。金沢の三文豪のひとり「徳田秋聲」の異母兄・正田順太郎が明治30年に購入した武家屋敷を改装している。蔵に残されていた蓄音機による懐かしい調べを楽しみながら、10時間かけて抽出した水出し珈琲をワイングラスで味わえる特別な空間。
(兼六園エリア)
地元食材を活かし、金沢らしさをチョコレートで表現する兼六園そばにあるショコラトリー。店名の『雨の詩』は、金沢の三文豪のひとり「室生犀星」の「愛の詩集」の一編に由来。「雨は愛のやうなものだ」から始まる同作品が収められた詩集は、犀星の処女詩集としても知られている。
(香林坊エリア)
書店『うつのみや金沢香林坊店』内にあるカフェ。創業明治12年の同書店は、かつて金沢三文豪も通ったことでも知られる。九谷焼のカップで提供される「金沢珈琲」や、人気の甘くないクリームソーダ「沖つ白波」などを片手に、読書や会話を楽しみたい。
◎今回のエリア。観光用にぜひお役立ちくださいね。
※掲載されている情報は、2024年3月以前に取材した内容です。時間の経過により実際と異なる場合があります。