金沢観光の人気スポット、
21世紀美術館の魅力に迫る
2. 屋外作品も魅力が満載
芝生の公園で屋外の作品を楽しもう
美術館の周りは芝生が植えられ、さながら公園のような景観。ここを訪れた日は天気がよくて、屋外作品を一つひとつ鑑賞して写真を撮っているうちに1時間以上過ぎてしまった。前のページにもふれたことだが、新しい作品も加わっているので、美術館の中に入る前に時間を使いすぎることのないようにご注意を(反省)。
- 屋外
写真は、2016年から設置されたSANAAによる球体パビリオン「まる」。早くも人気になっているこの作品は外側からも、内側からも鑑賞できる構造になっている。ぜひ現地で楽しんでほしい作品だ。
フロリアン・クラール《アリーナのためのクランクフェルト・ナンバー3》2004年
- 屋外
金沢21世紀美術館蔵 撮影:中道淳/ナカサアンドパートナーズ 写真提供:金沢21世紀美術館
芝生の中に楽器のチューバのような形のものが12個設置されているが、実は2個ずつペアになっているので1個からもう1個に声を届けることができる。近くにあるものが必ずしも対ではないので、声をかけてみると思わぬ人から声がかえってくることも! 作品のタイトルの意味が「音のフィールド」というのも納得の作品。現代アートでは、目で見るものだけがアートの領域だと決めつけてはいけないようだ。さあ、みなさんも恥ずかしがらずに(笑)声を出してみよう。
LAR/ フェルナンド・ロメロ《ラッピング》2005年
- 屋外
金沢21世紀美術館蔵 撮影:木奥惠三 提供:金沢21世紀美術館
この作品はスタイリッシュな形のジャングルジムとでも言いたくなる形をしている。作品の内部に子どもが入って遊ぶこともできるようになっている。風船の内部から外に向けていろいろな方向に押し出されたような複雑な形だ。
オラファー・エリアソン《カラー・アクティヴィティ・ハウス》2010年
- 展覧会ゾーン
(c)2010 Olafur Eliasson
この作品の写真はWEB 掲載NG。とはいえ、現地に行くと遠目からもよく目立つ、とてもカラフルな作品。シアン、マゼンタ、イエローのガラスで周囲の人がいろいろな色で見える。作品の中心の照明が日没から夜明けまで光るので、まるで夜の灯台のように周囲の目印となるだろう。
ヤン・ファーブル《雲を測る男》1998年
- 屋外
(c)Angelos bvba 金沢21世紀美術館蔵 提供:金沢21世紀美術館
アメリカの映画『終身犯』に着想を得てつくられた作品。雲を測る男を展示するとしたら…美術館の屋上!というのは納得。晴れの日も風の日も脚立の上で雲を測る彼にどういうことを感じるだろうか―。一番近くから鑑賞できる場所は、展覧会ゾーンの《緑の橋》からだろう。作家の身体を型どりしているためか、服の質感がリアル。兄の死を思ってつくられた作品。
屋外には作品のほかにもこんなものが!
- 屋外
公園といえば、やはり座って一息つけるイスが必要。屋外にも美術館設計者であるSANAA デザインのイスがある。座るのもためらうかわいさ。天気のいい日はここでくつろぎたいところ。前述の球体パビリオン「まる」の周辺にも設置されている。
- 屋外
歴史ある茶室が、歴史的価値を失わないように美術館の隅に移築されている。ひっそりとたたずむといった趣で、周囲となじんでいるのは公園と一体になった美術館のつくりのためだろうか。茶室「松涛庵(しょうとうあん)」の建物は加賀藩主12代・江戸時代末期に建てられ、昭和に入って数寄屋風の茶室として整備されたので、江戸時代の風情を今に残す貴重な建物。この「松涛庵」は、毎年6月に開催される『金沢百万石まつり』で『百万石茶会』のお茶席として利用されたり、行事が入っていない日には一般に貸施設として利用されている。
公開時間/9:00 ~ 17:00 ※茶会開催時間は見学できません
休/月曜(月曜が休日の場合その直後の平日)、年末年始
入場無料