観光情報サイト 金沢日和

金沢観光/グルメ/イベント|地元編集者のとっておき情報

石川や金沢、加賀、能登のおすすめ情報を地元編集者が地元のトピックスを中心に、へぇ、そうだったのか、とか、これは役にたつ!などの情報をお届けします。

【台湾出身編集者kumaの金沢散歩】日本酒初心者でも楽しめる酒蔵見学ツアーが最高すぎて酔いしれた…「神泉」を生み出した小松の老舗酒蔵 『東酒造』に潜入!

2024年12月9日(月) | テーマ/エトセトラ

こんにちは、金沢日和編集部・台湾出身のkumaです。
連載「kumaの金沢散歩」を担当し、日々、様々な発見をして楽しく過ごしています。わたしにとっての新発見もあるけれど、地元の方にとっては金沢の再発見につながることもあるそうです!これからも、魅力あふれるこの土地を一緒に巡り続けられると幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。


2024年12月4日(水)に、日本酒や焼酎、泡盛など「伝統的酒造り」が、ユネスコ無形文化遺産に登録されることが決まりました。奥深い日本酒の世界。もっと知りたいと思っていながらも、普段あまりお酒を飲まない自分ではなかなか踏み入ることもできずにいました。途方に暮れるわたしに導きの光を降り注ぐかのように、このたび、石川県小松市にある『東酒造(ひがししゅぞう)』の新しくなった蔵見学コースのモニターツアーにお誘いいただき、参加してきました!日本酒初心者なのでついていけるか少し不安でしたが、そんな心配も吹き飛ばされるぐらい楽しくて充実した時間が過ごせました。

「神泉(しんせん)」で知られる東酒造は、万延元年(1860年)に創業されました。石川県小松市に位置しており、地酒らしい日本酒造りを目指し、酒造りに関わるすべての要素が石川県産にこだわることをモットーとしているそうです。

東酒造場は、酒蔵および住居の十二棟が国の登録有形文化財に指定されています。長屋門で格式のある大門をはじめ、四畳半茶室の桂松庵や上質な和風建築の緑寿庵など、老舗の造り酒屋の豊かな建築空間を楽しめます。

以前から酒蔵見学を実施していた東酒造ですが、このたびは酒蔵にラウンジがオープンし、このきっかけで蔵見学コースも一新したそうです。見学が始まる前に、神泉ラウンジ「Kai」でひと息つけるようになりました。

国登録有形文化財の主屋にあがり、日本庭園を眺めながらゆったりできます。この歴史ある空間の中で、150年以上続いてきた酒造りの現場をこれから見学できると思うと、ますますツアーへの期待が高まりますね!この新しい見学コースで、日本酒ファンだけではなく、より多くの方に酒蔵に来ていただきいとの思いを込めて、何回でも来てほしい、落ち着く場所を目指し、ラウンジの名前を「回(kai)」にしたそうです。

蔵人から説明を聞きながら、日本酒や「神泉」造りの奥深い魅力を感じる酒蔵見学。日本酒造りに必要な原料から、それぞれへのこだわりについても丁寧にお話ししてくださり、初心者のわたしでも聴き入ってしまいました。日本酒造りは菌とのコミュニケーションが大事だとか、温度管理と調整が大切だとか、時代に合わせてお酒を進化させるとか…興味深いお話ばかりで、時間を忘れるぐらい楽しかったです。

「仕込みには見守る勇気が必要です」とタンクに愛しい眼差しを向けて話す東社長が一番印象に残りました。タンクの温度が少し上がったとしても、発酵が弱まる可能性があるため急に冷やすわけにもいかないらしいです。長年培ってきた経験と「見守る勇気」を貫いた、繊細な酒造りの現場。酒蔵それぞれのこだわりを守るために注がれたたくさんの愛があるから、日本酒の世界はこんなにも温かくて興味深いと思いました。

東酒造は、酒造りに関わる全ての要素が石川県産にこだわっています。白山の伏流水を用い、地元の酒米と酵母で醸す、石川らしい地酒造り。小さな酒蔵ですが、ここで生まれた石川県の魅力が詰まった「神泉」は、数々の受賞歴を誇り、世界中でも高評価を得ているそうです。

酒蔵見学後は、いよいよお待ちかねの試飲タイム!神泉が作られる現場の余韻に浸りながら、販売所の奥でさまざまな神泉を飲み比べられるなんて、最高ですね。

わたしは一口で酔える自信があるので、取材終了後に試飲させていただくことになりました。一緒に参加した先輩が各銘柄を試しつつ、「口当たりが良い!」「しゅってくる!」「日本酒っぽくない!」「ジュースみたい!」(※感想は個人差あり。ちょっと何を言っているかわからないコメントもありました)など、目を輝かせながら日本酒初心者のわたしには抽象的すぎる感想を連発していました。「飲み比べることでそれぞれの味の個性がより鮮明に感じられて、普段からお酒を嗜んでいる人も、あまり日本酒を飲まない人にもおすすめしたいわ!」だそうです。

わたしはみんなに見守られながら「ジュースみたい!」の「蛍舞プレシャス」を試させていただきました。小松産コシヒカリ「蛍米」を使用した新世代日本酒で、アルコールが11%のジュシーな味わいが特徴なので、普段日本酒を飲まれない方にもおすすめです。

この酒蔵見学ツアー(要予約)は一人1,100円で商品券500円付きなので、試飲後は販売所でお得にお買い物ができます!せっかくの機会なので、お酒好きのお父さんに甘口と辛口を1本ずつ贈りたいと思いました。好きなものを選んでもらいたく、ほろ酔いながら久しぶりに電話してみたら、ほしい銘柄を即応答されて少し驚きました。東酒造に酒蔵見学をさせていただいてるよって伝えたら、お父さんはすぐ調べたらしく、2本の追加注文がきました。結局ついさっき日本酒デビューしたばかりのわたしが4本を持ち帰るというシュールな光景になりました。来年金沢に会いにくるときに一緒に飲むことになったので、今から感想が楽しみです。

■東酒造 酒蔵見学 (要予約)
【見学時間の目安】
酒蔵見学30分+販売所(試飲)で、計50分程度になります。
※酒造時期には予定が変更になります。詳しくはお問い合わせください。
【要予約】ご予約は7日前までにお願いします。
予約および注意事項の詳細は公式サイトにて。

■東酒造 直営店
住所/石川県小松市野田町丁35
TEL/0120-47-2302
営/9:00〜18:00
休/日曜
駐車場/5台
公式サイトはこちら
公式Instagramはこちら
オンラインショップはこちら


■担当している海外SNSはコチラ☆
小紅書(RED)|簡体字中国語(中国)
Facebook中国語|繁体字(台湾/香港)
Facebook英語

ライター情報

台湾出身の編集者kuma

連載記事

台湾出身の編集者kuma

連載記事

台湾出身、中国大陸育ち。中国語(繁体字・簡体字)はもちろん、日本語能力試験は1級(満点)、英語はビジネスレベルというトリリンガル才女。趣味はカメラで、かき氷と聖地巡礼が好き。

こちらも
【台湾出身編集者kumaの金沢散歩】金沢観光中に絶対寄りたい人気のパワースポット!歴史と文化が息づく、魅力溢れる神社。|石川県金沢市『金澤神社』

【台湾出身編集者kumaの金沢散歩】金沢観光中に絶対寄りたい人気のパワースポット!歴史と文化が息づく、魅力溢れる神社。|石川県金沢市『金澤神社』

こんにちは、金沢日和編集部・台湾出身のkumaです。 連載「kumaの金沢散歩」を担当し、日々、様々な発見をして楽しく過ごしています。わたしにとっての新発見もあるけれど、地元の方にとっては金沢の再発見につながることもあるそうです!これからも、魅力あふれるこの土地を一緒に巡り続けられると幸いです。 どうぞよろしくお願いいたします。 兼六園の随身坂出口のすぐ近く、自然に囲まれた静寂に鎮座する『金澤神社』。5年前、『ツルネ -風舞高校弓道部-』に登場した弓道場を探すために、初めて金沢に観光しにきた際にも訪れた、わたしの思い出の場所です。ここで暮らしていくにつれ、観光だけでは知り得なかった魅力を少しずつ知ることができて嬉しいです。 兼六園に隣接している金澤神社は、学問の神様として有名な菅原道真公を主祭神とし、災難除・金運の神である白蛇龍神や、商売繁盛の神である稲荷大明神も祀られています。年間を通して、学業成就・商売繁盛・災難除けなどのさまざまな祈願のため参拝する人が多いそうです。 静かな境内の一角には、金沢の地名の由来とされる「金城霊澤」が鎮座しています。昔、藤五郎という農夫が山から掘ってきた芋をここで洗うと砂金が出てきたことから、「金」を洗う「沢」で「金沢」の地名に繋がったらしいです。 手水舎では「金城霊澤」から汲み上げた霊水を使用しており、24時間自由に手水舎からお水取りも可能です。水質分析の結果、「金城霊澤」の霊水は、日本百名水として知られる、富山県上市町の「穴の谷の霊水」と似通った成分パターンで、カルシウム・鉄分を多く含んでいるそうです。また、飲用に適しているかどうかの「水質試験」を毎年行っているので、安心して利用しましょう。 美しい朱塗りの拝殿は、国の登録有形文化財にも指定されています。内部にはウサギやタヌキ、鹿や龍などが描かれた、36枚の天井画が見られるそうです。 そして、願いを込めて五円に結ぶ「結び守り」は、5年前に初めて来たときに一目惚れしました。日本の伝統工芸である「水引」の新しい可能性を模索するプロジェクトで、「金澤神社×津田水引折型×金沢の学生」のコラボが実現したそうです。厄除・縁結などの願いが込めた想いを結ぶ水引本来の意味を踏まえ、五円玉を水引に結ぶことで願いを叶えるという素敵な発想から生まれた、新しいお守り。金澤神社に参拝後、ぜひ手に取ってみてほしいです。 ■「水引お守り 金沢イノベーションプログラム」の詳細はこちら 種類豊富なお守りのほか、子ども向けの「こどもおみくじ」や、水に浸して文字が浮かんでくる「水みくじ」もあります。演出も含めて楽しめる「水みくじ」を、手水舎にある霊水で、ぜひ試してみてくださいね。 たくさんの願いを載せた絵馬を眺めていると、「志望校」「合格」「合格祈願」などの単語がよく目に留まります。切実ながらも、純粋無垢でまっすぐな願いたち。自分の受験期を思い出しながら、なぜかこころが洗われたような気がしました。わたしも次の試験に臨む前に、このような清い気持ちになれるようにまた訪れたいと思います。 ■金澤神社 住所/石川県金沢市兼六町1-3 TEL/076-261-0502 参拝時間/24時間 社務所受付時間/9:30〜17:00 公式サイトはこちら 公式Instagramはこちら ■担当している海外SNSはコチラ☆ 小紅書(RED)|簡体字中国語(中国) Facebook中国語|繁体字(台湾/香港) Facebook英語

こちらも
【台湾出身編集者kumaの金沢散歩】珍しいお守りが登場する観光スポットの穴場寺院を見つけました!|石川県金沢市『香林寺』

【台湾出身編集者kumaの金沢散歩】珍しいお守りが登場する観光スポットの穴場寺院を見つけました!|石川県金沢市『香林寺』

こんにちは、金沢日和編集部・台湾出身のkumaです。 連載「kumaの金沢散歩」を担当し、日々、様々な発見をして楽しく過ごしています。わたしにとっての新発見もあるけれど、地元の方にとっては金沢の再発見につながることもあるそうです!これからも、魅力あふれるこの土地を一緒に巡り続けられると幸いです。 どうぞよろしくお願いいたします。 金沢にはちょっと変わったお守りが登場するお寺があると聞いて、半信半疑で行ってみたら、想像以上に面白かったです。「デブ封じ」、「推活成就」、「肩凝退散」など、たった4文字に今のトレンドや日常の切実な願いを閉じ込めた、珍しいお守りがたくさんありました。 約70もの寺社が集まっている寺院群『寺町』の近くに位置する『香林寺』は、願掛け寺として知られています。タスキに願いごとを記載し、庭にある自分の十二支像に掛けると、1年以内に願いが叶うと言われているそうです。毎年9月下旬~10月上旬に白い彼岸花の群生が見られることでも有名ですよ。 入り口の門をくぐると、民家らしき建物が目に映りますが、間違いなく香林寺です。玄関近くでお出迎えしてくれるわんちゃんの石像の衣がおしゃれでかわいいので、ぜひ見てみてくださいね。 本堂内には、子どもを思う慈愛に満ちたお地蔵さん「幸福地蔵菩薩」や、1833年(天保4年)に造られた不動明王「開運霊薬不動」の尊像があります。加賀友禅作家で唯一の人間国宝・木村雨山氏が若い頃、『香林寺』に停泊していた折に残された80点ほどの作品も展示しています。 また、能面士・平井杢侃(ひらいもっかん)氏の能面が60点以上飾られており、部屋に踏み込むと圧倒されてしまいそうです。丁寧に仕上げられた能面を一つ一つを間近で見ることができるほか、それぞれの面に込まれた想いや意味の解説が書いてあるので、ぜひ能面の奥深さを堪能しましょう。 そして、今のトレンドや、日常の中にある悩み、叶えたいことなどがお守りになって登場し、その数はなんと40種類ほどあるそうです。「美女転生」、「シワ退散」、「ハゲ封じ」など、目眩がしそうなほど数々の願いを込めたお守りが一斉に並ぶと壮観ですね。推し活に励むわたしは、大人気の「推活成就」を選びました。当日の最後の一点だったそうです。無事買えた運も含めて、これからの推し活もきっと成就すると信じます。大人気の珍しいお守りシリーズは不定期で新作も出るので、ぜひ見に来てくださいね。 本堂拝観後は、お庭巡りに参りましょう。十二支像に掛けられたタスキを眺めながら、願いに満ちた「幸福の道」を3周巡り、願いをこころから伝えてみてはいかがですか。「幸福の道」には、十二支像のほか、羅漢像や沢山の可愛らしいお地蔵様も安置されているので、探してみてくださいね。 お庭の竹林の中には、出世達磨(達磨禅師)がいらっしゃいます。この出世達磨の口の中へ「願い玉」(五個一口)を投げ入れて、五個のうちに一個でも入ると、出世と金運が上がると伝われているそうですよ。こころから願いを込めて、ぜひ挑戦してみましょう。 閑静な『香林寺』は、雨の日は観光スポットの穴場としても知られており、とっておきの傘を広げてお庭巡りを楽しめます。彼岸花が咲く時期には、期間限定の名物「十二支団子」を楽しめる「彼岸花まつり」開催のほか、夜にはライトアップを実施するので、秋にもぜひ行ってほしいです。 ■香林寺 住所/石川県金沢市野町1-3-15 TEL/076-241-3905 拝観料/大人500円、中学生以下400円、団体60名以上400円 参拝時間/9:00~17:00 定休日/不定休 駐車場/10台 ※車の出入り口(山門)はそれほど広くはないため、大型車の場合は特にご注意ください。 公式サイトはこちら 公式Instagramはこちら ■担当している海外SNSはコチラ☆ 小紅書(RED)|簡体字中国語(中国) Facebook中国語|繁体字(台湾/香港) Facebook英語

【金沢日和 動画クリエーター募集】地域の魅力を多彩な映像で伝えるクリエイター募集︕

「金沢日和」では動画を撮影し、編集してくれるクリエーターを募集しています。情報サイト金沢日和で紹介し(続きを読む

2024年12月16日(月)

おひとり様専用カフェ『ノマドライフ』が惜しまれつつ閉店。

静かな場所でひとりで考え事をしたいとき、家ではなく誰かの気配を感じながらのんびり過ごしたいとき。そん(続きを読む

2024年12月5日(木)

【台湾出身編集者kumaの金沢散歩】女子旅におすすめ!金沢最古の神社で、可愛い絵馬やカラバリ豊富な御守を発見。|石川県金沢市『石浦神社』

こんにちは、金沢日和編集部・台湾出身のkumaです。 連載「kumaの金沢散歩」を担当し、日々、様(続きを読む

2024年12月2日(月)

出世魚の代名詞「ブリ」の呼び名、全部言える? 冬のごちそう「寒ブリ」の魅力を徹底解剖!【季節のトリビア】

①ブリと寒ブリって、同じなの? 海なし県外出身者にとっては、なじみのうすい「寒ブリ」(続きを読む

2024年11月28日(木)

【台湾出身編集者kumaの金沢散歩】グルメ必見! 日本唯一香辛料の神を祀る神社で、食運向上や料理上達のお守りを見つけた!|石川県金沢市『波自加彌神社』

こんにちは、金沢日和編集部・台湾出身のkumaです。 連載「kumaの金沢散歩」を担当し、日々、様(続きを読む

2024年11月21日(木)

【台湾出身編集者kumaの金沢散歩】お寿司を堪能するなら、「金澤寿司タクシー」に乗ってフルコースで!ご当地タクシーで巡る金沢の旅。

こんにちは、金沢日和編集部・台湾出身のkumaです。 連載「kumaの金沢散歩」を担当し、日々、様(続きを読む

2024年11月19日(火)

蟹(カニ・かに)についてる黒い粒々の正体は? 冬の味覚の王様を美味しく食べるコツをご紹介【季節のトリビア】

①そのカニは何のカニ? 世界には約5,000種類のカニが存在し、日本近海には1,00(続きを読む

2024年11月12日(火)

金沢市民は日本一のレンコン好き?! 加賀野菜の1つ「加賀れんこん」の魅力をたっぷりご紹介【季節のトリビア】

そもそも加賀野菜とは? 加賀野菜は「金沢市農産物ブランド協会」が認定した15品目の伝統野菜の(続きを読む

2024年11月6日(水)

おすすめ情報

能登日和

能登日和 ≫

お仕事日和

お仕事日和 ≫
掲載記事・写真・図表等の無断転載を禁止します。また一部の画像は石川県及び金沢市提供の写真を使用しています。
(C) 2024 金沢の観光やグルメ 金沢日和 kanazawabiyori