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【石川・トリビア】金沢のお盆は「時期」も「やり方」も他とはちょっと違う?

2024年8月5日(月) | テーマ/エトセトラ

石川県のトリビアをご紹介するこちらのコーナー。もうすぐお盆休みが始まる人も多いのでは。この「お盆」ですが、地域によって行う時期が異なることはご存じでしょうか。石川県内では、金沢市のみ「新盆」と呼ばれる7月に行い、その他の地域では「旧盆」もしくは「月遅れ盆」と呼ばれる8月に行います。しかも金沢には独自のお盆の習慣があるんだとか。そこで今回は、金沢市のお盆について調べてみました。


全国的にお盆は8月15日に行いますが、その理由は明治時代にまでさかのぼります。江戸時代まで日本は「太陰太陽暦」(月と太陽の動きをもとに作られた暦)を採用していましたが、明治政府が「太陽暦」(現在のグレゴリオ暦)を採用。その結果、日付が約1ヶ月ズレることになります。(1872(明治5)年12月3日は、1873(明治6)年1月1日へと変更)。

しかし農村や漁村ではこれまでの季節・生活感覚とのズレに不満が噴出。そこで、季節感を大切にしつつ、新たな暦を受け入れるため、お盆を太陽暦の8月(旧暦である太陰太陽暦の7月)に固定するようになったといわれています。ですが今もなお、東京の一部の地域や函館、横浜、静岡、金沢などは「7月15日」という日付に重きを置き、現在の暦の7月15日を「新盆」としてお盆行事を行なっています。

金沢のお盆で欠かせないのが「キリコ」です。7月になると金沢市内のスーパーでは、たくさんのキリコが山と積まれます。木と紙でできたこのキリコをお墓参りの際に持参し、中にろうそくを立てて、墓の前に吊るすそうです。キリコの表面には持参した人の名前を記入する部分があり、誰が墓参りに来たのかが分かるようになっています。現在、旧来型の「箱キリコ」は、釘を分別するための廃棄コストがかかることや、ろうそくの火が倒れてしまう懸念などから、姿を消しつつあります。代わりに主流となっているのが、地元の間伐材を使用した写真のような「板キリコ」です。

7月の金沢では、墓前に多くのキリコが吊るされ、とてもにぎやか。金沢市東山では今なお、伝統を守ろうと箱キリコに火を灯す「迎え火」「送り火」が行われているそうですよ。

時代の流れに伴い、お墓参りのやり方や風習は変わっていきます。しかし、お盆行事の目的はご先祖様を自宅に迎えて供養すること。地域によって時期や形式は違えど、ご先祖様への気持ちを忘れずに過ごしたいですね。


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