全国巡回中。ヨシタケシンスケ初の大規模展覧会開催!
【北陸初開催】「ヨシタケシンスケ展かもしれない」に行ってきました!体験レポ前編。
ヨシタケシンスケさんご本人が会場に! 全国巡回中の展覧会への思いをお聞きしました。
『あんなに あんなに』(ポプラ社)が「第14回MOE絵本屋さん大賞2021」の第1位を受賞し、同賞7冠に輝くという偉業をなした当代きっての人気絵本作家ヨシタケシンスケさん。『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)『おしっこちょっぴりもれたろう』(PHP研究所)『あつかったらぬげばいい』(白泉社)などの作品を耳にしたことのある人も多いのではないでしょうか。
全国巡回中の「ヨシタケシンスケ展かもしれない」 が、いよいよ6月15日(土)〜7月14日(日)まで金沢21世紀美術館で開催されるとあって、楽しみにしている人も多いですよね!開催日の前日には、ヨシタケさんが展覧会の最終チェックに訪れ、金沢の印象や展覧会への思い、また見どころなどをご自身の口からお話してくださいました。今回の記事では、展覧会の様子やヨシタケさんへのインタビューの内容などを前編・後編に分けてお送りします。
展覧会会場に入ってすぐに現れるのは、こちらのダンボールハウス。
手づくり感満載の「ヨシタケワールド」が始まる予感がします。
ほのぼのとした気持ちで歩を進めると、思わずギョッとしてしまうのが、ヨシタケさんの過去の作品「カブリモノシリーズ」。
会場でしか見られない貴重な過去の映像やかなり大きな作品など、絵本作家になる前のヨシタケさんを感じられるゾーンです。
そして今回の展覧会の見どころ、約2500枚のスケッチ!
パノラマ写真でも収まりきらないほどの壮大さを感じていただけるでしょうか。こちらのスケッチは、ヨシタケさんがいつも持ち歩いている手帳の実寸大の複製原画。驚くほど細かく、小さく描かれています。
上から下まで28段あるのですが、1番上は脚立にでも登らないと見えません。何が描いてあるのかとっても気になります。(ヨシタケファンの私は、終始ニヤニヤしながら眺めておりました)。
思わず笑ってしまうものや、「ねぇこれ見て!」と隣の人に話しかけたくなるもの、「そうだよねぇ」と共感したくなるものまでさまざま。ヨシタケさんの洞察力と想像力に脱帽です。
実際にヨシタケさんが描かれたスケッチも展示されています。愛用の小さな手帳に書き続けてきたスケッチは80冊、1万枚以上にのぼるとか。
ヨシタケさんがスケッチを始めた理由は、仕事のためではなく「落ち込んだ自分を励ますため」だったそう。逆に「満ち足りている時は全く描かない」とおっしゃっていました。
紙に書いておかないと忘れちゃうくらいどうでもいいこと(=ヨシタケさんにとっては大事なこと)を記録することで「自分はこういうことに興味があるんだな」とわかる。すごくいいこと思いついた! と思っても、5年前に全く同じことを考えていたりする。そういう自分の嗜好や考え方のクセが見えるのは、こうして紙に書き続けているからなんですね。
会場に来た人だけが見られる&体験できる特権もあります。見逃せないのは「旅の思い出スケッチ」。 21美の印象や「ずっと見たかった」という念願の「あの部屋」の感想が描いてあります。写真はあえて載せませんので、お見逃しのないよう! (会場に入ってすぐの場所に展示してありますよ♪ )
そのほか「じごくのトゲトゲイス」や「てんごくのふわふわみち」という体験コーナーや、何回も挑戦したくなる「うるさいおとなを りんごで だまらせよう! 」というりんごを投げるアトラクション、「これ、なーんだ?」クイズなど、ただ見るだけではなく、実際に触って遊べる場所がたくさん設けられています。
なぜこんなにも楽しい仕掛けがたくさんあるのかというと、幼い頃のヨシタケさんの体験が元になっているんだそうです。通常絵本の展覧会といえば原画を鑑賞するもの。「見るだけ」なので、子どもの頃のヨシタケさんは「つまんない」「早く帰りたい」と思っていたそう。そんな記憶があったからこそヨシタケさんは「せっかく足を運んでもらったのに、つまらないと思って帰ってもらったら悔しい! 」という思いで、大人も子どもも楽しめるよう、色々な工夫をされたのだそうです。
ヨシタケさんの頭の中を覗ける「ヨシタケシンスケ展かもしれない」は、7月14日(日)まで。「会場の大きさがちょうどよく、すごくバランスのいい形に仕上がっています」 と、ヨシタケさんご本人も太鼓判の展覧会なので、ヨシタケファンはもちろんのこと、今はまだファンじゃない方もぜひ足を運んでみてください。展覧会を見終わった後は「グッズ買っちゃおうかな…!」 とつぶやいてしまうくらいのヨシタケファンになっているはずですから。
イチオシはこちらの公式図録。通常、展覧会の図録というのは「展示された作品」が収録されています。しかしヨシタケさんの公式図録は、展覧会で「展示されなかったもの・ボツになったもの」が載っています。「こっちだったかもしれない」という名前の通り、2度楽しめるわけですね。
ユーモアたっぷりのヨシタケさんご本人のインタビュー記事は後編に続きます。どうぞお楽しみに!
イベント紹介記事は>>>こちら
※掲載されている情報は、2024年6月以前に取材した内容です。時間の経過により実際と異なる場合があります。