【イシカワズカン】醤油味の名物オムライス|志お食堂(宝達志水町敷浪)
2023年12月28日(木) | テーマ/エトセトラ
〈 イシカワズカンとは… 〉
石川県へ首都圏の若者のUIターン地方移住促進を実現する求人サイト「イシカワズカン」。”地方都市で働くことは地方都市で暮らすこと”というコンセプトのもと「人々」「暮らす」「遊ぶ」「食べる」の4つのカテゴリーで暮らしの情報を発信しています。
イシカワズカンのHPはこちら
石川県の能登半島の入り口に位置する宝達志水町(ほうだつしみずちょう)。オムライスを考案した大阪の洋食店「北極星」の創業者がこの町の出身であることにちなみ、2011年から「オムライスの郷プロジェクト」がスタート、オムライスの町としてPRしている。町内には、米や野菜など地元の食材を取り入れたオリジナルのオムライスを提供している飲食店がたくさんある。その中の一つ「志お食堂」に今回足を運んでみた。
昔ながらの食堂の雰囲気が漂う店内では、カレーやうどん、日替わり定食などの料理が楽しめる。現在料理の腕を振るうのは2代目の本西浩一さん(53)=宝達清水町出身。オムライスは、父の清太郎さんが1971年に開業以来の人気メニューだ。実は先代の清太郎さんは「北極星」で修業をした叔父が出した店に勤めており、「北極星」の孫弟子にあたる。
オープン当初はメニューはシンプルなオムライスとポークソテーオムライスのみ。2011年に町おこしで「オムライスの郷プロジェクト」がスタートしてからはバリエーションを増やし、現在は7種類。同じようにご当地オムグルメに取り組む北海道富良野と福井との合同企画で生まれたオムカレーとボルガライスもメニューとして提供している。
オムライスの中のご飯はトマトケチャップが一般的だが、「志お食堂」のオムライスは醤油で味付けするのが特徴だ。先代はケチャップを使用していたが、本西さんは「ケチャップがちょっとしつこかった」と2011年に独自のメニューとして現在の醤油味を開発。地元宝達志水町の近岡屋醤油を使用している。
具材に使用する米は地元のコシヒカリ。常連客である近隣の米農家から購入している。他の具材も地元産にこだわり、玉ねぎは本西さんの実家の畑で採れたもの、卵は地元メーカー「中山エッグ」の能登鶏たまごを使用。ハーブを食べて育っているため卵独特の臭みがなく、色も綺麗に出るのが特徴だとか。
今回は人気メニューの「ポークソテーオムライス」(味噌汁付き1,000円)を注文。バター醤油とニンニク、白ワインで香り高く焼き上げた豚ロースが添えられ、ボリューム満点で食べごたえのある一品だ。
卵を火にかけるのは弱火で10秒ほど、ご飯を乗せたらさっと巻く。流れるような作業に見惚れるばかりだが。「自信を持てるようになったのは2年目くらいからですね」と話す。家業を継いだ当初は一日中フライパンを握って練習していたという。オムライスは今では土日50食、平日20食は出る人気メニューとなった。
薄焼き卵に包まれた楕円形のオムライスはどこか懐かしい。醤油ベースのご飯は味が良く香ばしさが口の中に広がり、醤油の香りがほのかに和の味わいを感じさせ、卵との相性も良い。添えられたポークソテーも柔らかくニンニクの風味が食欲をそそる。味噌汁と小鉢もついてくるのが嬉しいポイント。ぜひおすすめしたいメニューだ。