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【進学コンシェルジュの進路相談】 少子化時代における今どきの学校の選び方、塾の選び方 (第2回)

【進学コンシェルジュの進路相談】 少子化時代における今どきの学校の選び方、塾の選び方 (第2回)

[ 金沢学遊(かなざわがくゆう) ]

小矢田 学紀(Koyata Takanori)
金沢学遊(2018.9創業)代表。1973年、石川県加賀市生まれ。金沢大学教育学部中等教員養成課程中退後、県内の企業で家庭教師派遣を中心としたマネージメント部門に20年間ほど従事。 2018年9月に独立し、現在は「金沢学遊e-キャリアコーディネーター」として、保護者や指導員の方達と直接膝を突きあわせながら学習支援のみならず、家庭教育の改善や学習での課題解決など「自ら考え行動できる若者」「スポーツを通じて楽しく学び合える組織」を育成するための提案を行っている。

夏休みも終わり、受験を見据えた親子は、ここから本格的な受験校選びが始まる。

ここで、いま一度考えて欲しいのが、

「高校や大学への進学で何を望むのか?」

ということである。前回、お伝えしたとおり、“終身雇用”や“年功序列”が死語と化した令和の時代において、社会に出る子どもたちが身につけるべきは、単なる学力ではなく、ここからの予測不可能な時代を生き抜く力、そしてそれを社会で実践できる力であろう。

そのためにも、進学した高校や大学で何を学ぶのか、どのように経験値を上げるのかを真剣に考える必要がある。入試偏差値から見る見通しの良さではなく、そういった『教育価値』を基準に受験校を選ぶ時代である。

とは言っても、いまの受験生の保護者世代は、学校名や偏差値ベースで進学を決めてきた方も多くおられるだろう。学校の教育価値で選ぶ時代、と言われてもよくわからないのが本音ではないか。そこで今回は、近年話題の「金沢工業大学」を教育価値という視点で見てみたい。

石川県では唯一の私立理系大学である金沢工業大学。いまの保護者世代の多くが抱くのは30年ほど前の入試偏差値や学生のイメージではないだろうか。この、保護者が持つイメージといまの金沢工業大学の価値との乖離が、子どもたちが受験を楽しみ切れない原因となるが、そのことはまた別の回で触れたい。



いまの金沢工業大学(KIT)の教育価値は、「社会実装」と「入学教育」に特徴を持つ。

「社会実装」の事例はここでは紹介しきれないほどの数があるが、近年注目を集めるのが、「地域GX(グリーントランスフォーメーション)共創プロジェクト」である。カーボンニュートラルの実現に向けた様々な試みの中でも、電気エネルギーを取り巻く環境は、再生可能エネルギーの導入や電気自動車の普及によって大きく変化しようとしている。白山麓キャンパスでの実証実験の成果を踏まえ社会実装へと発展させていくプロジェクトをNTTアノードエナジーとの共同で「直流スマートグリッド事業」を2022年からスタートしている。その他にも、通常の点字ブロックに色を付けこれをスマホのアプリで読み込むことで視覚障碍者の方に周囲の情報を音声での提供や、外国人観光客に向けて観光情報を提供する「コード化点字ブロック」の実装などもある。(金沢市中心部にて敷設。)

また、「入学教育」では、入試偏差値を基準とした学校選びで起こりやすく問題視されている“進学のミスマッチ”を防ぐ効果を発揮している。KIT入学教育は高校生が受講できるもので、大学で行われる授業を先駆けて受講することができ、大学でのキャリアと自らの将来について考えるプロジェクトに参加できる。大学受験が終わると学習意欲を低下させるケースが多いが、入学から卒業までのキャリアデザインを描き、入学後の学びや生活をスムーズにスタートさせるための高大接続のプロジェクトにより、入学後の意欲を向上させる。

このように、これからの大学選びでは、社会へ出てからの力を身に付けるための「教育価値」
を基準にすることが重要となる。入学するまでが受験ではなく、入学してから社会に出るまでを見通すのが令和の受験である。

DATA

『金沢学遊』
代表:小矢田 学紀
石川県金沢市四十万町イ52-2
Mail:kanazawagakuyu@gmail.com
https://kanazawagakuyu.com/

※掲載されている情報は、2023年8月以前に取材した内容です。時間の経過により実際と異なる場合があります。

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