【石川県の方言・金沢弁】「気兼ねな」
今日ご紹介する方言は、「気兼ねな(きがねな)」です。
先日、来客があり、気の利いた手土産をいただきました。
その心遣いに出た返答が
「あら、気兼ねな」でした。
そんなに気を使っていただいて申し訳ない。
遠慮しなくちゃ、という思いさえするけれど、とっても嬉しいわ、ありがとう。
この気持ちが「気兼ねな」に凝縮されています。
使用例としては
「あんた、帰るんやったら一緒にくるま乗ってくまっし」
(あなた、今から帰るのだったら、一緒に車に乗っていきなさいよ)
「あら、あんたんち遠回りやがいね。気兼ねな」
(あら、あなたの家からは遠回りになるじゃないの。いいの? ありがとう)
「野菜たんともろたさけ、もってくまっし」
(野菜をたくさんいただいたから、持っていきなさいよ)
「あらー、こんなにもろていいがんけ。気兼ねな」
(あら、こんなにたくさんいただいていいの? ありがとう)
などです。相手の親切や気遣いに対してちょっと遠慮して感謝する感じがありますね。
同じく感謝の意を表す「気の毒な」と使い分けられたら立派な金沢人かも!