モーツァルトの名曲を豪華アーティストで聴く!GW金沢の音楽祭〜チーフ・プロデューサーにインタビュー
2018年3月23日(金) | テーマ/音楽
毎年GWに石川県立音楽堂を中心に開催される、クラシック音楽の祭典「風と緑の楽都音楽祭」が今年も開催されます。世界的指揮者や豪華なソリストが集まる音楽祭のチーフ・プロデューサーを務める山田正幸さんにお話を伺いました。
――今年のテーマはモーツァルトということですが。
山田正幸チーフ・プロデューサー(以下山):日本人にとって一番尊敬される作曲家というとベートーヴェンですが、愛される作曲家というとやっぱりモーツァルト、ということで昨年のベートーヴェンに続いて、今年はモーツァルトをテーマにしてやることになりました。
しかもモーツァルトの、有名なみんなが聴きたいと思っている曲をズラッと並べたプログラムを組みました。
モーツァルトの奥さんがつくった名門楽団がやって来る!
――演奏されるアーティストは独自のネットワークで呼ばれたとか。
山:今回はモーツァルトということで、モーツァルトの曲を得意とする楽団が揃っています。なかでも、モーツァルトにゆかりのある楽団が来日します。モーツァルトの奥さんがつくったといわれるザルツブルク・モーツアルテウム管弦楽団ですが、以前からオファーをし続けていました。たまたま別のオーケストラとの交渉でウィーンに行っていたのですが、滞在中にタイミングよく「日本に行けることになった」という連絡をもらいました。モーツァルトの生誕地であるザルツブルク音楽祭の中心的存在の楽団だけに、モーツァルトは得意中の得意。この楽団の首席指揮者であるリッカルド・ミナーシはヨーロッパで人気の指揮者で、このコンビでの日本デビューはここ金沢になりました。
左/リッカルド・ミナーシ 右/ザルツブルク・モーツアルテウム管弦楽団
ほかに、金沢初登場の紀尾井ホール室内管弦楽団。首都圏の主要オーケストラの首席奏者など、すぐれた演奏家がメンバーとして集まっている楽団です。
ポーランドからはアマデウス室内オーケストラが来日します。ポーランドでもモーツァルトは人気の作曲家です。そこにOEK(オーケストラ・アンサンブル金沢)も加わるので、合計4つのオーケストラがモーツァルトを競って演奏します。
――モーツァルトの楽曲は重ならないように演奏するのでしょうか。
山:モーツァルトの有名な曲「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」は3つの楽団で演奏します。さきほどのザルツブルク・モーツアルテウム管弦楽団、紀尾井ホール室内管弦楽団、アマデウス室内オーケストラ。同じ楽曲を複数のオケで聴き比べることができるようになっています。
――ほかに音楽祭の特徴をお聞かせください。
山:能とクラシック音楽のコラボは以前から続けていますが、今年もやります。石川で育った若手演奏家の演奏も聞けます。ピアニストの辻井伸行さんはすごい人気で既にチケットは完売しました。3月6日の発売日は長い行列ができました。お待たせしてご迷惑をかけました。
モーツァルトは交響曲、協奏曲、オペラ、ピアノ・ソナタと多くの作品を残しています。
日本人は全曲集が人気なので、昨年に引き続き今年もピアノ・ソナタ1番から18番まで全曲演奏するプログラムも用意しています(3夜にわけて公演)。
石川県立音楽堂チケットボックスでは10%引きのお得なセット券を販売しています。またおすすめのプログラムや良い席の案内もしてくれるのでチケット購入に慣れていない人にもおすすめです。
――あと、おもしろい食事付きのコンサートあるとか。
山:モーツァルトがいた時代のオーストリア・ウィーン料理のレシピが残っていますので、ANAクラウンプラザホテル金沢と金沢ニューグランドホテルでモーツァルトが食べた料理として再現しようとしています。
もちろんモーツァルトの演奏もあります。
◆若手アーティストによる「モーツァルトの世界」
日時/2018年4月19日(木)18:30~
会場/金沢ニューグランドホテル12Fフレンチレストラン「ロワ」
料金/1名様10,000円(食事、飲み物、税金、サービス料込)
予約・問い合わせ先/金沢ニューグランドホテルTel.076-233-2540
――山田さん、ありがとうございました。ほかにも作曲家がステージ上で即興で作曲を行うプログラム「作曲家たちのモーツァルトひらめき大会」など、興味深い話をたくさんお聞きしました。
◆「いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭2018」開催概要
開催日/2018年4月28日(土)~5月5日(土・祝)
会場/石川県立音楽堂・金沢市アートホール・北國新聞赤羽ホール・北陸エリア(福井・石川・富山)
問い合わせ先/風と緑の楽都音楽祭実行委員会事務局
Tel.076-232-8111(平日10:00~18:00)
https://www.gargan.jp
みなさん、いかがでしたでしょうか。演奏者もプログラムも、はたまた料理まで。いろいろな工夫があって、これこそまさに「お祭り」なんだと思いました。GWの音楽祭がさらに楽しみになりました!
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