盗っ人も匙を投げる大きさ
2017年10月31日(火) | テーマ/金沢の雑学
今回は兼六園に出かけてみましょう。
兼六園にはいくつか出入口があるのですが、ここでは「真弓坂口」を選びます。
ゆるやかな坂を上ってすぐのところに大きな石が置かれています。これ、メノウです。
メノウ自体はけっこうありふれた鉱物ですが、アルゼンチンやメキシコ、ポーランド、ボツワナ、スコットランドあたりで産出されるメノウはとてもカラフルで、コレクターからの人気が高いそうです。日本(というか仏教の世界)では「七宝」の一つに数えられ、数珠にも使われることが多いですね。ちなみに石川県は産地の一つです。
この(兼六園の)メノウの大きな塊にどれだけの価値があるのかわかりませんが、その昔、この石を盗もうとした輩がいた――という逸話が残されています。何人組だったかは知りませんが、せっせと運び出そうとしたようです。
しかし、何しろ大きすぎた。あまりの重さに耐えかね、盗っ人はこの真弓坂の上り口で盗むのを諦めました。もうすぐ下り坂だったのに。
メノウは漢字では「瑪瑙」と書きます。これは、石の見た目が「馬」の「脳」に似ているからだと言われます。馬の脳を実際に見たことがないので何とも言えませんが、この漢字が充てられた当時は、馬の脳の形状は多くの人に知られるところだったのかもしれません。あるいは、とても貴重なものだったとか。
兼六園に出かけた際は、真弓坂口近くのメノウの石に寄ってみてください。
(撮影/今寺 学)
その他の同じテーマ記事
【金沢のお正月】福徳せんべい
2024年もあとわずか。イベントを一つひとつ終え、お正月準備も万全という方も多いのではないでしょうか(続きを読む)
【金沢のお正月】全国的に珍しい石川県の「紅白」鏡餅。
石川県民の多くは紅白の鏡餅を飾ります。そんなの当たり前でしょと思った県民の皆さん、実は全国的には上下(続きを読む)
【金沢のお正月】金沢のお正月に欠かせない祝菓「福梅(ふくうめ)」
12月になると、金沢近郊の和菓子店には正月の和菓子「福梅(ふくうめ)」が並びます。 毎年決まった店(続きを読む)
【金沢のお正月】金沢の正月に欠かせない占い系縁起菓子「辻占(つじうら)」
(写真提供:金沢市) 金沢のお正月にいただく和菓子の代表・福梅(ふくうめ)と並んで有名なのが「辻(続きを読む)
金沢のお雑煮、ルーツは名古屋!? 石川県のお雑煮のあれこれ【金沢トリビア】
もうすぐお正月。今回はお正月に欠かせない「お雑煮」についてのトリビアです。 お雑煮と聞くとねじり梅(続きを読む)
豚汁をめった汁と呼ぶのは石川県民だけって、知ってました?【金沢トリビア】
豚肉やニンジン、大根、ネギ、ゴボウなどの野菜がたっぷりはいった味噌汁を、何と呼びますか? 「めった(続きを読む)
金沢のお土産&手みやげ 番外編|手みやげのマナー
ご挨拶に伺う機会が増える時期ですね。「今年もお世話になりました」、「新しい一年もよろしくお願いいたし(続きを読む)
【金沢の雑学・商店街編】老舗から飲食店まで様々な業種が軒を連ねる「片町商店街振興組合」
昼はショッピングを、夜は遅くまで飲食を楽しめる北陸有数の繁華街「片町」。最新のトレンドショップや、金(続きを読む)
【金沢の雑学・商店街編】昭和の風情が残るレトロな外観の建物が立ち並ぶ「尾山神社前商店街」
加賀藩祖・前田利家公と正室おまつの方を祀る尾山神社。そのお膝元にある「尾山神社前商店街」は開設70余(続きを読む)
【金沢の雑学・商店街編】金沢市内で有数なオフィス街。『南町通り商工会』
尾山八町の一つである南町は、400年以上前の藩政期以前に形成された、金沢でも最も古い町のひとつです。(続きを読む)