用水めぐり 「辰巳用水」の巻
2016年12月20日(火) | テーマ/金沢の雑学
今回は「辰巳用水」。東京の玉川上水、静岡の箱根用水、長野の五郎兵衛新田用水と並ぶ、日本四大用水のひとつだとか。
全長は12キロ。約4キロの隧道と8キロほどの開渠からなり、近江町用水、高岡町の排水路区間を含めると全行程16キロを超える、極めて大規模な用水。今回は、大桑の大道割から錦町まで、約2キロにわたって整備された「辰巳用水遊歩道」にご案内します。
遊歩道の両側は、その半分ほどを緑地が占めています。豊かで貴重な生態系が保たれ、植物に目を向けると、例えばオニグルミが目にとまり、ヤブツバキ(ちょうど開花しています)の変種も多く見られます。モウソウチクが何か所かに分かれて群生し、4月ごろならタケノコが顔をのぞかせているところ。ほか、ケヤキ、クワ、ヤマザクラ、ネムノキ、アベマキ、ススキ、オオバコ、ハギなども見られます。
春から夏にかけてであれば、小鳥の声がにぎやかなことでしょう。「チチッ、ピーチュピッピー」と聞こえればホオジロ。「ツッピーツッピー、ツーツー」ならシジュウカラ。「キュリキュリ」とか「ギャーギャー」といった少々耳障りな声であればムクドリか。季節が秋に移れば虫の声がそれらに代わります。
加えて、涼やかな水の流れが耳に心地いい(今の季節にはちと寒々しいのが残念)・・・。いずれにしろ、それら(葉っぱのざわめき、鳥や虫のさえずり、水の音)は歩く速度でしか聞こえてこないものです。
春が来たら(気が早いですが)、ぜひ一度、この遊歩道を歩いてみてください。
(撮影/今寺 学 ※夏ごろに撮影)
その他の同じテーマ記事
【金沢のお正月】福徳せんべい
2024年もあとわずか。イベントを一つひとつ終え、お正月準備も万全という方も多いのではないでしょうか(続きを読む)
【金沢のお正月】全国的に珍しい石川県の「紅白」鏡餅。
石川県民の多くは紅白の鏡餅を飾ります。そんなの当たり前でしょと思った県民の皆さん、実は全国的には上下(続きを読む)
【金沢のお正月】金沢のお正月に欠かせない祝菓「福梅(ふくうめ)」
12月になると、金沢近郊の和菓子店には正月の和菓子「福梅(ふくうめ)」が並びます。 毎年決まった店(続きを読む)
【金沢のお正月】金沢の正月に欠かせない占い系縁起菓子「辻占(つじうら)」
(写真提供:金沢市) 金沢のお正月にいただく和菓子の代表・福梅(ふくうめ)と並んで有名なのが「辻(続きを読む)
金沢のお雑煮、ルーツは名古屋!? 石川県のお雑煮のあれこれ【金沢トリビア】
もうすぐお正月。今回はお正月に欠かせない「お雑煮」についてのトリビアです。 お雑煮と聞くとねじり梅(続きを読む)
豚汁をめった汁と呼ぶのは石川県民だけって、知ってました?【金沢トリビア】
豚肉やニンジン、大根、ネギ、ゴボウなどの野菜がたっぷりはいった味噌汁を、何と呼びますか? 「めった(続きを読む)
金沢のお土産&手みやげ 番外編|手みやげのマナー
ご挨拶に伺う機会が増える時期ですね。「今年もお世話になりました」、「新しい一年もよろしくお願いいたし(続きを読む)
【金沢の雑学・商店街編】老舗から飲食店まで様々な業種が軒を連ねる「片町商店街振興組合」
昼はショッピングを、夜は遅くまで飲食を楽しめる北陸有数の繁華街「片町」。最新のトレンドショップや、金(続きを読む)
【金沢の雑学・商店街編】昭和の風情が残るレトロな外観の建物が立ち並ぶ「尾山神社前商店街」
加賀藩祖・前田利家公と正室おまつの方を祀る尾山神社。そのお膝元にある「尾山神社前商店街」は開設70余(続きを読む)
【金沢の雑学・商店街編】金沢市内で有数なオフィス街。『南町通り商工会』
尾山八町の一つである南町は、400年以上前の藩政期以前に形成された、金沢でも最も古い町のひとつです。(続きを読む)