シリーズ金沢の坂 その10「観音坂(男坂)」
2016年7月12日(火) | テーマ/金沢の雑学
当シリーズの「その5」で紹介した「女坂」同様、坂上の観音院に続く坂道。 観音坂――というと、普通、金沢ではこちらの「男坂」を指すことが一般的である。
金沢市東山1丁目の寿経寺前から東南方面に向かって二手に分かれる道のうち、右手に進むと、やがて樹木に頭上を覆われた石段に辿り着く。これが「観音坂(男坂)」。左に進めば「女坂」となる。
名前は「男」だが、これがなかなか色気を感じさせる。ひやりとした空気感、深沈たる静けさ、坂の途中から覗ける黒瓦の艶、石段を染める苔の緑・・・・・・。なんでこっちが「女」じゃないの? と疑問を覚えるくらいに色っぽい。そして呼び名はどうあれ、この妖艶さに惹かれ、訪れる人は数多い。叱られそうだけれど、秘かに(親しみを込めて)「オネエ坂」と呼んでいる。
夏の四万六千日の宵の刻、この坂は、最もにぎわいを見せるといわれる。ちなみに今年は8月11日がその日に当たります。
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