旧陸軍金沢偕行社
2016年1月28日(木) | テーマ/エトセトラ
金沢は戦災からまぬがれたことで数多くの歴史的遺構が残っていることで知られています。中でも、現在は『県立歴史博物館』として使われている兵器庫をはじめ、金沢を拠点とした旧第9師団(日本陸軍)の遺構を、街のいたる場所で目にすることができます。
今回ご紹介する『石川分庁舎石引分室』もその一つで、もともとは『旧陸軍金沢偕行社』だったもの。明治31年の旧第9師団の開設とともに旧陸軍の将校クラブとして建てられ、同42年に石引に移転し、増改築して現在の姿になったと伝えられています。
金沢市の公式ホームページによれば、陸軍の経理部による設計で「マンサード風の屋根を持つ中央棟の左右に、寄棟の翼屋が付く構造」となっており「コリント式のピラスタ―やドーマー窓等バロック風の技巧的な装飾を用いた外観意匠は、全体として華やかで優れたもの」なんだとか。ちなみに、国登録の有形文化財。
個人的には日本陸軍の星型の御紋をモチーフにした床下の空気口がお気に入りです。
金沢はとかく「和」のイメージが強い街ですが、北陸学院の『ウィン館』(金沢に現存する最古の異人館)や尾張町にある『旧石川銀行橋場支店』(現『金沢文芸館』)、『旧第四高等中学校本館』(現『石川近代文学館』『石川四高記念館』)などなど、明治から昭和初期にかけて建てられたモダンな洋風建築物もたくさん残されていますので、それらを見てまわるというのも一興かと。
人気の観光スポット『金沢21世紀美術館』や『鈴木大拙館』といった現代建築を愛でた後にぜひ。「革新」と「伝統」を併せもつ都市・金沢の奥深さを感じていただけると思います。
写真提供:金沢市
石川県庁舎石引分室(旧陸軍金沢偕行社)http://www4.city.kanazawa.lg.jp/11104/bunkazaimain/touroku/yuukeikenzoubutu/kaikousya.html
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