結ぶのか、切るのか。
2015年9月17日(木) | テーマ/金沢の雑学

金沢市の繁華街・香林坊の裏手(鞍月用水沿い)に、京都の貴船神社の末社、貴船明神がある。 用水の流れにせり出した赤松に隠れるように、ひっそりと佇んでいる。 ここは古来より悪縁を断ち、かつ縁結びのご利益があると伝えられ、また「貴船」には万物のエネルギーが生じる根源であるとする「気生根(きふね)」の意味も込められていて、パワースポットとしても知られる。
さて、先に悪縁断ち(すなわち縁切り)と縁結び両方のご利益があると書いたが、そのお参りの区別には諸説ある。
かつて用水に橋が架かっていなかった時代には前方から用水を渡って(横切って)お参りすれば縁切り、祠の後方から参れば縁結びとなる・・・というのが一説。 あるいは、神社内の大きい祠(貴船社)が縁結び用で、その右手にある小さい祠(玉姫社)が縁切り用だとする説。 はたまた、用水の上流側から歩いてきて参拝すれば縁切り、逆に下流側からやってきて参拝すれば縁結び――という説もある。 三つめにあげた説は、それは逆だとする意見もあったりして、少々危うい。
というわけで、観光で当地を訪れた人は、お参りの際はくれぐれもご注意ください。二番目にあげた説が有力(そして無難)のような気がしますが・・・。
ちなみに、金沢市堀川新町にある曹洞宗のお寺・久昌寺も、縁切りと縁結び、両方にご利益がある場所として(秘かに)知られている。 こちらは少々生々しくて、「さるこ」と呼ばれる紅白の人形(紅が女性で白が男性)を使うそうだ(どう使うかはご想像におまかせします)。
(写真提供/金沢市)
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