逆立ちする狛犬
2014年11月6日(木) | テーマ/金沢の雑学

ある日、「なんかネタないかなー」とネットを見ていたところ、ガシッと私の心を鷲掴みにした一枚の写真。それが名工・福島伊之助が明治24年に作ったという、この逆立ちをする狛犬(もう一対は普通に鎮座)です。実際、目の前にするとなかなかの迫力で、兼六園の真弓坂入口の向かい、金沢市最古の神社とされる石浦神社の境内、広坂稲荷神社の鳥居の前に据えられています。
珍しい狛犬がいるもんだ、と、調べてみると、いるわいるわ、逆立ち狛犬。石川県は、知る人ぞ知る「逆立ち狛犬」の聖地だったようで(私が知らないだけでした)、専門サイトを運営する方の地道な調査によると、金沢市、野々市市、白山市の平野部、能美市を中心に、南は加賀市から北は中能登町、志賀町(旧・富来町) に分布。石川県全域でなんと110社110 対を超える逆立ち狛犬が現在までに確認されているようです。
なんでも、この逆さ狛犬、全国の狛犬好きが集う「日本参道狛犬研究会」(通称/狛研)では「金沢逆さ獅子」と分類されるタイプとのこと。そのほか、四つんばいの「青森構え獅子」、筋肉隆々の「秋田狛犬」、玉乗りする「広島玉獅子」、アゴのない「熊本狛犬」などなど、その地方地方で独自の個性を持ったユニークなタイプが発見、分類されており、あの沖縄のシーサーも狛犬の一形態と考えられているようです。
マニアの間ではこの逆立ち狛犬を目当てに石川県に訪れる方も多いとか。全国的に珍しいものなので、県内の神社に参拝される折には、チラリとチェックされてみてはいかがでしょうか。意外と簡単に逆立ちする狛犬が見つかると思いますよ。
ところで、なぜ石川県に逆立ちする狛犬が多いのか? いくら調べてもその理由は謎のままでした。もしご存知の方がいらっしゃいましたら、説でも構いませんので、ぜひぜひご一報ください。すごく気になっています。
石浦神社 http://www.ishiura.jp/index.html
日本参道狛犬研究会 http://enjoo.com/komaken/
エモさんのウエブサイト http://e-moto6120.mongolian.jp/index.html
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