タイととちゃん!
2014年7月24日(木) | テーマ/金沢の雑学
北陸の梅雨明けもいよいよ秒読み。夏といえば「かき氷」ですが、行列が絶えることのない、もはや金沢の夏の風物詩となっているのが、今回ご紹介する「松永松味堂」さんのかき氷です。
何といっても、子供たちが100円玉を握りしめ、自転車を走らせてやってくるような店構えがすてき! キャンディーズに、トシちゃん、聖子ちゃんの色褪せたポスターが貼られた店内は、昔懐かしい駄菓子屋さんの雰囲気そのまま。なんでも、和菓子屋として昭和7年に創業した後、かき氷は昭和12年から提供していらっしゃるそうで、それだけで、地元の人たちにどれだけ大切に愛されてきたお店なのかがわかります。
肝心のかき氷ですが、見た目はいたってシンプル。味付けも、イチゴ、メロン、レモン、みぞれ、金時、抹茶とオーソドックスそのもの。それでも一度食べると忘れられない味となるのは、あうんの呼吸で手作りする、おじいちゃんとおばあちゃんの仕事が実直であるからこそ。純度の高そうな大きな氷を、昔ながらの削氷機にセットし、一つひとつ丁寧に手作りする様は、見飽きることがありません。1000円近くするかき氷も珍しくない昨今、1個110円~という良心的な値段が、なんだか申し訳なくなるほどの完成度、そして、エンターテインメント性の高さなのです。
そして、この店に行ったら、ぜひ味わっていただきたいのが「タイとと」(別名「氷の落雁」)と呼ばれる氷菓子。魚のかたちをした木型に氷を詰め、固めて抜いてシロップをかけたアイスキャンディーのようなもので、現在ではここでしか食べることができません。こちらは1個100円。店先の駐車場に並べられたイスに座って、氷が溶けてしまわないうちに頬張るのが「タイとと」の醍醐味です。
「松永松味堂」さんですが、場所は森山小学校の向かい。平日は午前11時~午後9時30分(すごい!)、日曜は~午後9時までの営業。かき氷は9月末までの販売です。
その他の同じテーマ記事
【金沢のお正月】福徳せんべい
2024年もあとわずか。イベントを一つひとつ終え、お正月準備も万全という方も多いのではないでしょうか(続きを読む)
【金沢のお正月】全国的に珍しい石川県の「紅白」鏡餅。
石川県民の多くは紅白の鏡餅を飾ります。そんなの当たり前でしょと思った県民の皆さん、実は全国的には上下(続きを読む)
【金沢のお正月】金沢のお正月に欠かせない祝菓「福梅(ふくうめ)」
12月になると、金沢近郊の和菓子店には正月の和菓子「福梅(ふくうめ)」が並びます。 毎年決まった店(続きを読む)
【金沢のお正月】金沢の正月に欠かせない占い系縁起菓子「辻占(つじうら)」
(写真提供:金沢市) 金沢のお正月にいただく和菓子の代表・福梅(ふくうめ)と並んで有名なのが「辻(続きを読む)
金沢のお雑煮、ルーツは名古屋!? 石川県のお雑煮のあれこれ【金沢トリビア】
もうすぐお正月。今回はお正月に欠かせない「お雑煮」についてのトリビアです。 お雑煮と聞くとねじり梅(続きを読む)
豚汁をめった汁と呼ぶのは石川県民だけって、知ってました?【金沢トリビア】
豚肉やニンジン、大根、ネギ、ゴボウなどの野菜がたっぷりはいった味噌汁を、何と呼びますか? 「めった(続きを読む)
金沢のお土産&手みやげ 番外編|手みやげのマナー
ご挨拶に伺う機会が増える時期ですね。「今年もお世話になりました」、「新しい一年もよろしくお願いいたし(続きを読む)
【金沢の雑学・商店街編】老舗から飲食店まで様々な業種が軒を連ねる「片町商店街振興組合」
昼はショッピングを、夜は遅くまで飲食を楽しめる北陸有数の繁華街「片町」。最新のトレンドショップや、金(続きを読む)
【金沢の雑学・商店街編】昭和の風情が残るレトロな外観の建物が立ち並ぶ「尾山神社前商店街」
加賀藩祖・前田利家公と正室おまつの方を祀る尾山神社。そのお膝元にある「尾山神社前商店街」は開設70余(続きを読む)
【金沢の雑学・商店街編】金沢市内で有数なオフィス街。『南町通り商工会』
尾山八町の一つである南町は、400年以上前の藩政期以前に形成された、金沢でも最も古い町のひとつです。(続きを読む)